新党「中道改革連合」の綱領・基本政策をめぐって、さっそく不協和音が出ている。菅直人元首相の後継として2024年の衆院選に東京18区から出馬、比例復活当選した松下玲子衆院議員が新党参加を表明したものの、原発の再稼働に反対の意思を明確にしたのだ。「部外秘」の参考資料として「重要項目に関するQ&A」が、ネット上に出回っている。
「Q&A」によると、「中道改革連合」の基本政策には「将来的に原発に依存しない社会を目指す」ことが明記されているものの、「原発ゼロ」とは書かれていない。「原発ゼロ」と「原発に依存しない社会」は同じ意味なのかという「問」に対して、「原発に依存しないということは、究極の目標としてはゼロも含まれ得る」とした。リベラル系議員からは「それなら原発ゼロとはっきり書けばいいじゃないか」との声が漏れる。
立憲民主党はこれまで「安保法制の違憲部分の廃止」を掲げてきたが、中道改革連合では集団的自衛権行使容認の安保法制に関し、政策に「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」と明記した。
「Q&A」では公明党に配慮してか、「安保法制成立から10年が経過し、日米間の防衛連携も進んでおり、野田(佳彦)代表も直ちに法改正することは考えていないと明言してきたところ」と、法改正は考えていないと説明。
安保法制は「存立危機事態」という概念を使って「集団的自衛権」の限定行使を可能としたが、「Q&A」は「存立危機事態においても、『憲法の専守防衛の範囲内』で厳格に運用され、『自国防衛のための自衛権の行使』が担保されている限りにおいては、個別的自衛権または個別的自衛権と同視し得るものであり、憲法違反とは言えないと認識している」とした。
こうした「Q&A」の説明ぶりに、音喜多駿元参院議員が噛み付いた。
「違憲部分を廃止するという主張を今後はしないのだったら、素直に『これまでの主張は批判のための批判で、間違いでした。撤回します』と認めて選挙をするのが誠実な対応ではないでしょうか」
高市早苗首相に対抗するため結集した「中道改革連合」だが、多難な船出となりそうだ。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

