
映画タイトルにある“花緑青(はなろくしょう)”とは、燃やすと青くなる緑色の顔料で、かつて花火の材料に使われていたが、美しさと引き換えに毒性を含むことから幻となった。物語の舞台は創業330年の花火工場、帯刀煙火店。再開発による立ち退きの期限が迫るなか、幻の花火“シュハリ”とそこで育った若者たちの未来を巡る2日間の物語を描きだす。
声優初挑戦となる若手実力派俳優の萩原利久と古川琴音がW主演を務め、等身大かつ瑞々しい演技で命を吹き込む。さらに、時代を代表する傑作を彩り続ける入野自由と、数々の話題作で圧倒的な存在感を放つ岡部たかしが脇を固める。本作はフランスの気鋭スタジオMiyu Productionsとの日仏共同製作であり、制作中の注目作として2024年第77回カンヌ国際映画祭でのアヌシー・アニメーションショーケースに選出され、世界的な注目を集めている。
ドイツ、ベルリンで毎年2月に開催されるベルリン国際映画祭は、カンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭の一つ。これまでに黒澤明監督や山田洋次監督、大林宣彦監督、行定勲監督、三宅唱監督など各時代を代表する名だたる映画監督たちが評価されてきた。本作が選出されたコンペティション部門では過去に『武士道残酷物語』(63)、『千と千尋の神隠し』(01)が金熊賞に輝き、『偶然と想像』(21)が銀熊賞(審査員グランプリ)を獲得、アニメ作品では3年前に『すずめの戸締り』(22)が選出されたことも記憶に新しい。本作は日本画家の四宮が初めて手掛けた長編監督作。長編監督デビュー作が同部門に選出されることは非常に珍しく、日本映画としては『夢の女』(93)以来、33年ぶりの選出となる。

長編デビュー作で、世界に冠たる映画祭に正式出品を果たした四宮監督は「一緒に机を並べ手を動かしてくれた方、声や音に関わってくれた方、数多ある可能性の一つ一つが画面に結晶として現れ融合した結果ベルリンまで届いたのだと思います」と思いを明かすコメントを寄せ、本作で初めて声優を務めた萩原からは「歴史ある映画祭で評価いただいたこと、そんな作品に携われたことはとてもうれしいです」と喜びのコメントが。萩原同様に初声優に挑んだ古川も「四宮監督をはじめ、すべてのスタッフのみなさまが注いだ時間と眼差しに、心から拍手を送りたいです」、「そして、カオルの声を私に託してくださったことを、改めて光栄に思います」とコメントを寄せた。
日本の伝統文化である“花火”と、失われゆく“場所と時間”、誰もが抱く“青春と未来への想い”を描く映画『花緑青が明ける日に』。世界の人々は本作をどのように観るのか?今後の続報にも注目だ。
■<コメント>
●四宮義俊(原作、脚本、監督)
「一緒に机を並べ手を動かしてくれた方、声や音に関わってくれた方、数多ある可能性の一つ一つが画面に結晶として現れ融合した結果ベルリンまで届いたのだと思います。とても小さな物語が世界を一周し、3月にはまた日本に戻ってきます。その時にはおそらく世界共通の物語としてこの映画を楽しんでいただけることと思っています。このニュースで初めて『花緑青が明ける日に』の存在を知っていただけた方々にとって、劇場で鑑賞するきっかけの一つになっていただければとてもうれしいです」
●萩原利久(敬太郎役)
「ベルリン国際映画祭コンペティション部門に『花緑青が明ける日に』を選出していただきました。今回初めて声優に挑戦させてもらった『花緑青』が歴史ある映画祭で評価いただいたこと、そんな作品に携われたことはとてもうれしいです。そして、国境を越えて一人でも多くの方に観ていただける機会になればさらにうれしいです。監督はじめスタッフのみなさまおめでとうございます」
●古川琴音(カオル役)
「異なる言葉や文化のなか、遠くベルリンのスクリーンで『ハナロク』が花開くことを思うと、とても美しいだろうなと、胸が高鳴ります。この作品が生まれるまでに、四宮監督をはじめ、すべてのスタッフのみなさまが注いだ時間と眼差しに、心から拍手を送りたいです。そして、カオルの声を私に託してくださったことを、改めて光栄に思います」
文/サンクレイオ翼
