
本作は、パナヒ監督が投獄された経験とそこで出会った人々のリアルな声から着想を得て生まれた、スリリングかつユーモラスな復讐劇。かつて不当な理由で投獄されたワヒド(ワヒド・モバシェリ)は、ある偶然によって自分に酷い拷問をした看守らしき男を発見。咄嗟に強引な手段で男を拘束し、荒野に穴を掘って埋めようとするのだが、IDカードを見ると名前が違う。確信が持てなくなったワヒドは、いったん復讐を中断し、同じ男に拷問された友人を訪ねることにするが…。

このたび解禁されたシーン写真は全部で9点。荒野にワゴン車を停め、人間の足を掴んで無理やり穴へ放り込もうと奮闘するワヒドの姿や、過去にさまざまな理由で拘束や拷問された人々が、看守と思しき男を取り囲んでいる様子。またウェディングフォトの最中にこの珍事に巻き込まれた新婚夫婦の姿など、パナヒ監督作品らしいユーモアと緊迫感にあふれた物語の一端が切り取られている。

現地時間1月22日(木)にノミネーションが発表となる第98回アカデミー賞では国際長編映画賞のフランス代表としてショートリスト(最終候補15作品)に選出。また、作品賞や監督賞などの主要部門へのノミネートも期待されている本作。その続報にも注目しながら、日本上陸を楽しみに待とう。
文/久保田 和馬
