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「広島が突き抜けるには得点力じゃないですか」“新加入扱い”松本泰志が新たな起爆剤に「良い選手がたくさんいる。どれだけボールを届けられるか」

「広島が突き抜けるには得点力じゃないですか」“新加入扱い”松本泰志が新たな起爆剤に「良い選手がたくさんいる。どれだけボールを届けられるか」


 ミヒャエル・スキッベ監督体制の2022~25年は、3位、3位、2位、4位と常に上位争いを演じながら、J1王者にあと一歩手が届かなかったサンフレッチェ広島。この体制が昨季限りで終焉を迎え、26年からはポーランド系ドイツ人のバルトシュ・ガウル監督が率いる新チームへと移行した。

 彼らはまず石垣島キャンプを消化。1月21日からは宮崎に移って二次キャンプに突入した。この日は前日までの穏やかな気候が嘘のような極寒の中、夕方から1時間程度のトレーニングが行なわれた。

「今日はそんなに温かくないんで、たくさんボールを使いながら体を動かすという内容でやりました。宮崎キャンプのテーマは攻撃、ボールを持っている時のアタッキングというところ。ビルドアップやゴール前の崩しから最終的にはゴールを取ることが重要なので、その先のアイデアを落とし込んでいければと思います」と、38歳の若き指揮官は最大の課題である得点力アップに取り組んでいくという。

 昨季J1での総失点28はリーグ最少だったが、総得点は46。この数字は優勝した鹿島アントラーズより「12」、2位の柏レイソルより「14」少なかった。個人に目を向けても、大卒ルーキー中村草太と途中加入の木下康介の6点が最多というのは、やはり物足りない。J1百年構想リーグでは全体に数字を引き上げていくべきなのだ。

「広島が突き抜けるには得点力じゃないですか。守備は昨年も最少失点ですし、すごく良い守備ができているので。高い位置にボールを運べた時に、何本ゴールにつなげられるかが大事なってくるかなと思います」

 こう力を込めるのは、わずか1年で古巣復帰した松本泰志だ。ご存じの通り、2017年に昌平高から広島入りした彼は、アビスパ福岡、セレッソ大阪へのレンタル期間を含めて広島で8シーズンを過ごし、昨季は浦和レッズへ完全移籍。故郷・埼玉での活躍を期していた。
 
 だが、浦和ではグロインペインの怪我も重なって29試合に出場(うち先発14試合)3ゴール。不完全燃焼の1年を経て、広島に戻ることを決断したのである。

「1年間のチャレンジはすごく勉強になりました。でも、まだまだだなと。自分の実力が足りなかったし、個の能力が他の選手よりも劣っていたとシンプルに感じました。

 昨年11月9日の広島戦の時、サポーターに挨拶に行きましたけど、メチャクチャ温かい言葉ばかりが耳に入って涙が出た。本当に良いクラブだなと改めて思いましたし、それも戻った1つの要因でしたね」と本人は神妙な面持ちで言う。

 慣れ親しんだ環境でもう一度出直すことが、自身にとってベストな選択だと松本は判断したのだろう。年明けから広島に合流し、石垣島キャンプに参加。今は前向きな感触を掴みつつあるという。

「(広島は)人の入れ替わりが少ないですし、みんなのやりたいことや特徴もよく分かるので、スムーズに入れてますね。一応、僕は新加入扱いなんですけど、やりやすさを感じます。

 今の監督はここまでの練習試合では3バック、ボランチ2枚で戦っている。基本的な形はスキッベさんと同じです。ただ、今の監督の方がキッチリしてますね。守備もマンツーマンの時とオーガナイズする時といろいろやっているので。自由度のあるスキッベさんと戦術的なマチェイさんの中間くらいというイメージかな。守備はだいぶ理解できたので、攻撃的な部分に取り組むこのキャンプを楽しみにしています」と松本は笑顔を見せていた。

 田中聡(→デュッセルドルフ)が去ったこともあり、松本は主にボランチで使われる見通し。持ち味である3列目からの飛び出しやお膳立てを数多く出せれば、広島の攻撃に厚みをもたらせるだろう。
 
 松本は2024年Jリーグ優秀選手賞に輝いたこともある。2年前を上回るパフォーマンスを見せられれば、自身のゴールも増えるし、ジャーメイン良や木下、新加入の鈴木章斗らFW陣の得点アップにも寄与できるはず。2月開幕のJ1百年構想リーグではチームの新たな起爆剤になることが肝要なのだ。

「ジャメ君だったり、章斗君、康介君という良い選手がたくさんいるので、そこにどれだけボールを届けられるかがポイント。チャンスメイクを頑張りたいですね」と本人も目を輝かせた。
 
 この半年間は“西日本リーグ”となるため、浦和との古巣対決はお預けだが、恩師スキッベ監督の率いる神戸との対戦はある。

「神戸とやるのはすごく楽しみですね。スキッベさんが行ったから神戸はより強くなると思う。自分も目の前の試合に勝つこと、常にハイパフォーマンスを示すことを目標にやっていければいい。2年前の優秀選手賞の先はベストイレブンなんで、それを狙っていきたいという気持ちもあります」と野心ものぞかせた。

 2026年が、再起をかける松本と広島にとって大いなる飛躍の年になれば理想的。まずは2月6日のV・ファーレン長崎との開幕戦を楽しみに待ちたいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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