FIA世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースが行なわれ、ハイパーカークラスはアルピーヌ35号車(ポール・ループ・シャタン/フェルディナント・ハプスブルク/シャルル・ミレッシ組)、LMGT3クラスはまさかの展開でTFスポーツ81号車コルベット(トム・ヴァン・ロンパウ/ルイ・アンドラーデ/チャーリー・イーストウッド組)が制した。
レース開始2時間のところで出動したセーフティカーの影響で、各車接近した状態でレースは後半戦に突入した。
2番手を走っていたプジョー93号車は、展開を味方に首位に浮上したプロトン・コンペティション99号車ポルシェに対し、ダンロップコーナーで接触しながらオーバーテイク。首位に躍り出た。
3番手につけていたトヨタ7号車も、後ろから迫るキャデラック12号車をなんとか凌ぎながら、ポルシェ99号車に接近。LMGT3クラスのマシンを間に挟みながらホームストレートで横に並びオーバーテイクに成功、2番手に浮上した。
ポルシェ99号車は少しずつポジションを落としながらも後続を抑えて5番手を走っていたが、フェラーリ51号車と接触。スピンを喫し、11番手まで転落した。
残り2時間30分のところでは、ピットアウト直後でタイヤが冷えていたアストンマーティン007号車がコカコーラコーナーでスピン。LMGT3クラスのマシンにも当たってしまった。
これをきっかけに各車がピットイン。しかしトヨタ7号車は燃料に少し余裕があったからかステイアウト。その後にFCY(フルコースイエロー)が出てしまい、7号車はピットに入れなくなってしまった。
アストンマーティン007号車の撤去には時間がかかり、セーフティカー(SC)にスイッチ。トヨタ7号車はピットオープンまで燃料が保たず、エマージェンシーピットストップで後退を余儀なくされた。
ハイパーカーの首位はプジョー93号車がキープ。2番手にはアルピーヌ35号車、3番手にアストンマーティン009号車がつけた。
エマージェンシーピットストップをした他のマシンと同様、SC走行中に燃料を入れ直したトヨタ8号車は13番手まで後退となった。
LMGT3クラスは、マンタイ・ファーストフォーム92号車とアイアン・デイムス85号車のポルシェ勢がトップ2。ペナルティで沈んでいたユナイテッド・オートスポーツ95号車マクラーレンは、この時点で4番手につけた。
レース残り2時間を前にリスタートが切られると、フェラーリ50号車がアストンマーティン009号車をパスし、表彰台圏内に。009号車にはプジョー94号車も迫った。
小林可夢偉にドライバー交代したトヨタ7号車は、SC明けから次々とポジションを上げ、10番手まで挽回。ただその後方から、ポールシッターのキャデラック12号車、アレックス・リンが接近。デブリ回収のためFCYが出てふたりのバトルは中断されたが、リスタートで加速に優れる12号車が難なくオーバーテイクした。
ただ7号車もフェラーリ51号車とサイドバイサイドのバトルの末、オーバーテイクを遂行。10番手を取り戻した。
レース残り4分の1を切り、デブリ回収のため再びFCYが出された。ハイパーカークラスはトップ3が接近。首位プジョー93号車に、アルピーヌ35号車がぴたりとつけ、ポルシェ6号車がそれを追う形だ。
ピットストップ時に違反があったとして、ポルシェ6号車には5秒ペナルティが出されたが、その直後に35号車を交わして2番手に浮上。首位のプジョー93号車にプレッシャーをかけていった。
残り1時間を前に、ハイパーカークラスのマシンが続々とピットイン。フィニッシュまで走り切れるか微妙なタイミングだ。
各車がピット作業を終えた段階で、左側のタイヤ2輪交換を敢行し静止時間を短縮したアルピーヌ35号車が首位に浮上。2番手のプジョー93号車は8秒ほど後ろと、アルピーヌが俄然有利な状況となった。
アルピーヌ35号車は10秒前後のリードをキープしながら淡々と周回。2番手のプジョー93号車はポルシェ6号車に追われ、ギャップを縮めることができないまま残り時間は減っていった。
ラストピットを終えて8番手につけた7号車の小林可夢偉は、フェラーリ50号車に対してホームストレートで並びかけ、オーバーテイクに成功。その後はストレートの速いアストンマーティン009号車が迫り、009号車が7号車に追突。幸いどちらにも大きなダメージはなかったが、その後009号車がオーバーテイクに成功し、7番手を奪った。
アルピーヌ35号車は、8秒以上のリードでファイナルラップに突入し、危なげなくトップチェッカー。LMDh車両のA424を投入してからは初優勝となった。
プジョー93号車とポルシェ6号車は僅差のバトルを最後まで続けたが、93号車に軍配。ポルシェ6号車が3位となった。
4位にはポルシェ5号車、5位にプジョー94号車となった。アストンマーティン009号車は、トヨタ7号車を抜いた後、キャデラック12号車まで攻略し6位となっている。
トヨタは、一時は2番手を走った7号車が8位フィニッシュ。ペナルティが大きく響いた8号車が2周遅れの16位に終わった。
LMGT3クラスは、ラストピットのタイミングの違いで終盤まで読めない展開となり、ファイナルラップにピットインするマシンもあった。
トップチェッカーはビスタAFコルセ21号車フェラーリだったが、ピットストップに違反があったとしてフィニッシュ直前に5秒ペナルティが科され、優勝はTFスポーツ81号車コルベットに転がり込んだ。3位、4位はBMWを駆るチームWRTの31号車、46号車が入った。
佐藤万璃音がフィニッシュを担当した95号車マクラーレンは、11位となっている。

