2024-25シーズンのオーランド・マジックは、イースタン・カンファレンス7位の41勝41敗(勝率50.0%)でレギュラーシーズンを終え、アトランタ・ホークスとのプレーイン・ゲームを制して第7シードでプレーオフに出場した。
そこではボストン・セルティックスに1勝4敗で敗れ、ファーストラウンド敗退に終わったが、2年連続でプレーオフ進出を飾り、着実に前進していると言えるだろう。
迎えたオフ、チームは現地時間6月15日に大型トレードを断行。ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、コール・アンソニー(現ミルウォーキー・バックス)、さらには複数のドラフト1巡目指名権を手放し、メンフィス・グリズリーズからデズモンド・ベインを補強した。
9月27日に米スポーツ専門メディア『The Athletic』へ公開されたインタビュー記事で、マジックの大黒柱パオロ・バンケロはベイン獲得についてこう明かしていた。
「信じられなかったね。チームがトレードするだろうとは思っていたけど、獲得候補をリストアップしていた中で、少なくとも僕の頭の中でデズモンド・ベインはなかった。
だから最初にそのことを耳にした時は『デズモンド・ベインか!』って感じだった。彼はすごい選手だから興奮したよ。確かに、彼はウエストのチームにいたからあまり対戦したことはなかった。けど僕らがメンフィスでプレーした時は毎回攻め立ててきた。僕は彼の振る舞いやプレースタイル、3ポイントが好きだったんだ」
ベインはジャ・モラント、ジャレン・ジャクソンJr.を擁するグリズリーズで、直近3シーズン連続して平均19点以上を残す実力者。昨季は69試合の出場で平均19.2点、6.1リバウンド、5.3アシスト、1.16スティールをマークし、3ポイントは成功率39.2%で平均2.4本(164本)を沈めている。
バンケロとフランツ・ヴァグナーがメインハンドラーを務めるマジックで、196cm・98kgのベインは両者を補完することが期待でき、キャッチ&シュートの成功率42.3%を記録した長距離砲はさらに威力を増すだろう。
昨季のマジックはバンケロが出場46試合、ヴァグナーは60試合、ジェイレン・サッグスも35試合と、チームトップ3の得点源がケガのため多くの試合を欠場。シックスマンのモリッツ・ヴァグナーも左ヒザの前十字靭帯断裂で30試合の出場に終わり、なかなかフルメンバーで戦えずにいた。 今季のイースタン・カンファレンスは、セルティックスがジェイソン・テイタム、昨季ファイナリストのインディアナ・ペイサーズはタイリース・ハリバートンがそれぞれアキレス腱断裂のためシーズン全休、あるいは長期欠場が確定しているため、マジックにとってはチャンスとなる。
「このチームに限界なんてないと思っている」と語るバンケロは、新シーズンに向けてこう意気込む。
「僕らはプレーオフでもっと勝ち進むべきチームだと感じている。それがファイナルだといいね。せめてイースタン・カンファレンス・ファイナルには進みたい。僕はプレーオフのもっと先でプレーしたいんだ。
自分たちは選手層の厚いロスターになっている。楽しみにしているよ。まだ早いけど、ここまでの時点でのチーム、それにチームメイトたちを見ていると、僕らはファイナルまで勝ち進めるタイプのチームだと思うんだ」
ジャマール・モーズリーHC(ヘッドコーチ)の下、主力のケガ人続出の中で昨季も勝率5割を残せた要因は、リーグ2位のディフェンシブ・レーティング(109.1)を記録した堅守による部分が大きい。ロスターにはバンケロやヴァグナー兄弟だけでなく、ウェンデル・カーターJr.、ジョナサン・アイザック、ゴガ・ビタッゼなど機動力のあるビッグマンが豊富で、ペリメーターにもサッグスやアンソニー・ブラックといった選手がいる。
今季も昨季と同等のディフェンス力を維持しつつ、ベインを加えてオフェンス力が増すことになれば、マジックがイースト上位の戦績を残すことは十分可能だろう。バンケロ率いるこのチームがどんな躍進を見せるのか必見だ。
文●秋山裕之(フリーライター)
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