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NASAがお題「火星の食卓、誰か考えて」 壮大な“食料システム”国際コンペ開催

NASAがお題「火星の食卓、誰か考えて」 壮大な“食料システム”国際コンペ開催

DEEP SPACE FOOD CHALLENGE: MARS TO TABLE(深宇宙食チャレンジ:火星から食卓へ)

 NASAが、「火星の食卓」をどう作るかをテーマにした国際コンペを実施中です。宇宙飛行士が長く滞在する火星で、食料をどう用意し、どう食事をまかなうのか。その仕組みづくりが問われています。

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■ 月の次は火星へ 長期探査で浮上する「食」の課題

 NASAは現在、アルテミス計画の一環として、アルテミスIIで宇宙飛行士4人を月の周回へ送り出す準備を進めています。月面での持続的な活動を見据え、その先には火星への有人探査も視野に入っています。

 ただ、数か月、場合によっては数年にも及ぶ深宇宙ミッションでは、「何を食べるか」は避けて通れない問題です。これまでのように地球から食料を送り続けるやり方には、限界があります。

 そこでNASAが立ち上げたのが「DEEP SPACE FOOD CHALLENGE: MARS TO TABLE(深宇宙食料チャレンジ:火星から食卓へ)」。

 これは、シェフや料理研究家、技術者、大学生、さらには一般の市民科学者まで参加できる国際的なコンペで、火星で使える“完全自立型”の食料システムの設計を募集するものです。参加はチーム形式が基本で、料理や技術、栄養など異分野の連携が想定されています。

 募集期間は2026年7月31日まで。米国チーム向けには賞金総額最大75万ドル(約1億1880万円/記事公開時点)が用意されています。国際チームも参加や表彰の対象にはなりますが、賞金の授与対象外です。

■ 火星で完結する“食料システム”の設計

 このチャレンジでは、火星に滞在する宇宙飛行士のための食の仕組みをゼロから考えることが求められます。その内容は壮大なもので、単なる食事メニューの考案ではなく、原料の生産から廃棄物の再利用までを含めた仕組みづくりです。

 さらに栄養バランスや味はもちろん、安全性や調理のしやすさ、NASAの生命維持システムとどう連携するかといった点まで含めて、“丸ごと一つの食料システム”として設計する必要があります。

 一方、地球からの補給に依存しない形を理想としつつ、設計条件は「地球から持ち込む食品やバルク原料の使用をシステム全体の50%以下に抑えること」と少しゆるめに設定されています。

 単に「何を食べるか」ではなく、「どう作り、どう保存し、どう提供し、どう廃棄物を扱うか」まで含めた総合力が試されるわけです。

 NASA側も、この取り組みに大きな期待を寄せています。探査ミッションが長期化し、地球から遠ざかるほど、食の問題は複雑になります。そこで、NASAの内部だけでなく、外部からも幅広くアイデアを集めることで、より柔軟で現実的な解決策を見つけたい考えです。

■ 火星のための挑戦が、地球の食問題にもつながる

 興味深いのは、このチャレンジが「宇宙のため」だけで終わらない点です。火星向けに考えられた食料生産システムは、地球上の過酷な環境にも応用できる可能性があります。たとえば、極地の研究基地や、物流が限られた地域、災害時の避難所などです。

 NASAマーシャル宇宙飛行センターのセンテニアル・チャレンジ担当のジェニファー・エドムンソン氏は「コンパクトで保存性が高く、栄養豊富な新しい食事は、軍関係者や災害救援の対応者といった人々の食の選択肢を広げる可能性があります。火星や将来の惑星探査を想定して課題を解決することで、地球にとっての解決策も見いだせるのです」と述べ、将来への期待を寄せています。

 NASAの懸賞付き・公開アイデア募集制度である「センテニアル・チャレンジ」は、これまでもロボットや、エネルギー分野などで新しい技術を生み出してきました。今回の「MARS TO TABLE」も、宇宙探査をきっかけに、私たちの食の未来を少し変える存在になる可能性があります。

 火星の食卓を考えることが、地球の食卓を豊かにする。そんな未来を想像しながら、どんなアイデアが飛び出してくるのか、注目してみるのも面白そうです。

<参考・引用>
NASA Marshall(@NASA_Marshall
NASA「Mars to Table Challenge
NASA「NASA Back for Seconds with New Food System Design Challenge

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026012203.html

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