駅前のベンチで始まった、小さな困りごと
その日、私は友人との待ち合わせのため、駅前のベンチに座っていました。約束の時間まで15分ほど余裕があったので、スマートフォンを見ながらのんびり過ごしていたのです。
すると、近くで遊んでいた5歳くらいの男の子が、突然私のそばにやってきました。「ねえねえ、なにしてるの?」と話しかけてきたので、「友だちを待っているんだよ」と答えると、その子はなぜか私の隣にちょこんと座ってしまいました。
最初は微笑ましく思っていたのですが、だんだんと私の物を触ったり、「これなに?見せて!」としつこく言ってきたりするように。周囲を見渡しても、保護者らしき人の姿は見当たりません。
エスカレートする要求と、周囲の視線
男の子の要求は次第にエスカレートしていきました。「お菓子ちょうだい」「スマホ貸して」と言い出し、断ると大きな声で「けちー!」と叫ぶのです。
周囲の人たちがこちらを見始めています。しかしながら、誰も助けてくれません。強く叱ることもできず、かといって無視し続けるのも難しい。立ち去ろうかとも思いましたが、友人との待ち合わせ場所を離れるわけにもいかず、どうすればよいのか本当に困ってしまいました。
「お母さんはどこにいるの?」と聞いても、「知らない」と答えるばかり。いつまでこの子の相手をしなければならないのだろう、と不安になりました。
