「ゾーンに入る」ことも。やりがいのある鍼灸師の仕事
日中は鍼灸師として働いている――現在は鍼灸師としても働いていらっしゃいますが、今のお仕事について教えてください
大内:普段は新所沢にある「陶板浴ルミアン」という職場で、週5日、正社員として働いています。学生時代、大学の調査に協力した時に、僕の手の触覚が同世代の平均の11.3倍あることがわかりました。そのおかげか一日中色々な人の身体を診て集中力が高まってくると、ただ揉んでいるというより、その人の身体に自分が入っていくような不思議な感覚になるんです。背中や腰に触れていると、自分がその中に入り込んでいるような……。よく言う「ゾーンに入る」という状態ですね。その感覚で施術をすると、皆さん本当に喜んでくれます。スケートボードは仕事が終わった後、時間や体力がある日に行くことが多いですね。
――社会に出てから、成長したと感じることはありますか?
大内:治療の専門家としての責任感、求められることに応えて進化し続けなければいけない、という意識が強くなりました。これはスケートボードも同じで、「求められたら応えたい」一心なのかもしれません。あとは本当にいろいろな人に助けてもらっていることもより身近に感じるようになりました。身についたものは何かと聞かれたら、「感謝」と「責任感」ですね。
社会人スケーターとしての進化
ブラインドスケーター、社会人アスリートとしての自覚が芽生えたことで取り組みにもポジティブな変化が生まれた――社会人になって、スケートボードとの向き合い方に変化はありましたか?
大内:練習の「質」を考えるようになりました。学生時代と違って、練習できる時間は限られています。スケートボードはその日の体調やモチベーションで技の調子も変わるので、そこで闇雲にやり込むのではなく、「今日はこの技を練習しよう」とか、冷静にベストな選択肢を選べるようになってきたと思います。
会社の人たちも応援してくれていますし、SNSのコメントも温かいものばかり。今は自分が上手くなりたいという気持ちだけではなく、応援してくれる人たちの存在を感じながら練習しています。良いトリックが決まったら、「イベントだったら、お客さんは喜んでくれるかな」など、見てくれる人のリアクションを想像しながらやるようになりました。プロスケーターの気持ちが、少しだけ分かったような気がします。会社も「活動で忙しくなるなら、勤務日数を減らそうか?」と提案してくれますし、社会人アスリートとしての地盤が固まってきた感触はありますね。
