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盲目のスケーターの実生活って?大内龍成に学ぶ「今」を生きる力

盲目のスケーターの実生活って?大内龍成に学ぶ「今」を生きる力

見えない中でのスケボー。その恐怖とどう向き合う?

このバックサイドノーズスライドというトリックは、デッキ(ボード)の先端を対象物に掛けるために、視覚情報が無い中で、高さを推測する必要がある。こういったチャレンジにはロジカル思考が役立つ、と大内さん

――通常でもスケートボードに恐怖心はつきものですが、視覚情報がない中で、その恐怖とどう向き合っているのですか?

大内:僕も怖くないと言ったら嘘になります。でもスケーターは皆、その恐怖も含めて楽しんでいるんだと思います。スケートボードって、乗ったことがない人からすれば危なっかしい乗り物ですよね。それに視野を失った僕が乗ってトリックを仕掛けるなんて、想像を絶する挑戦に見えるかもしれません。「神業だ」と言ってくれる方もいますが、自分の中ではもっとロジカルなもので、「ここからアプローチして、こう進めば目標に到達できる」という確実なロジックがあります。僕はそのルートを頭と身体に叩き込んでいるだけです。「これくらい踏み込めば、ちょうど対象物の高さに掛けられるな」というのを計算して実践する。この考え方は、目が見えていたら絶対にしていなかったでしょう。だからマジカルに見えて意外とロジカルなんです。
でも初めて行くスケートパークの場合、距離感、対象物の高さ、路面の状況まで全てが違うので、それを一つひとつ確認しなければいけません。だから健常者と比べたら、「トリックの成功」というゴールは遥かに遠い。でも、どれだけ苦労しても、トリックが成功した瞬間に全てが報われます。これこそ、健常者も障がいのある人も全く変わらない、スケーターのアイデンティティだと思います。

世界のアーバンスポーツフェスが見せてくれた理想の形

スペインで開催されたアーバンスポーツのフェスティバル「オマリスキーニョ」に参加したアダプティブスケートボーダーたちと大内さん

――最近では海外のコンテストにも出場されたそうですね。

大内:はい、スペインのヴィーゴで開催された「オマリスキーニョ」というアーバンスポーツのフェスティバルに招待していただきました。そこでは「アダプティブスケートボーディング(障がいのある人々がスケートボードを楽しむための取り組み)」が確立されたジャンルになっていて、義足のスケーターやハンドスケーター、ヨーロッパのブラインドスケーターも集まりました。僕はそこで3位になることができたのですが、イベント自体すごく盛り上がって、障がいの壁を感じることもなく心から楽しめました。新たな繋がりもできましたし、僕が将来やっていきたいことの理想形が詰まっていました。

配信元: パラサポWEB

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