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盲目のスケーターの実生活って?大内龍成に学ぶ「今」を生きる力

盲目のスケーターの実生活って?大内龍成に学ぶ「今」を生きる力

ブラインドスケーターとしてのこれから

「誰かが新しい一歩を踏み出すきっかけになりたい」と語る大内さん

――将来、スケートボードとどう関わっていきたいですか?

大内:とにかく、スケートボードに乗り続けたいです。今の僕は、スケートボーダーであり、障がい者でもある。それぞれの立場で求めてくれる人がいるので、やるべきことは多いと感じています。そのためにも、まずは自分が滑り続けること。自身のライディングをまとめたビデオパートも残したいし、また「オマリスキーニョ」のようなコンテストにも出たい。それに、デフスケーター(聴覚障がいのあるスケーター)やハンドスケーターたちを集めた交流会も日本でやりたいです。それも障がい者だけにスポットが当たるのではなく、健常者も一緒に楽しめるように。あとはブラインドスケーターとしての経験を、講演などを通じて一般の方々にも伝えていきたいです。

――最後に、これから何かを始めたい人へメッセージをお願いします。

大内:打ち込めることに本気になって、頑張ろう! ということですかね。僕はスケートボードに乗りたいから、これからも乗り続けます。世の中には、色々な理由をつけて諦めてしまう人も多い。でも、「そんなことは関係ないんだ」ということを、障がいのある僕が動き続けることで感じてもらえたら嬉しいし、そんな見本になりたいです。誰かが新しい一歩を踏み出すきっかけになりたい。もし同じビジョンを持つ人がいたら、ぜひ一緒にやっていきたいです。

大内さんのかつての激情は今、静かな自信へと昇華された。恐怖を「ロジック」で解き明かし、失われた視覚を「研ぎ澄まされた感覚」へと転換する彼の成熟した視線は、自身の成功の、さらにその先を見据えている。彼が白杖とスケートボードで描くラインは、単なる滑走の軌跡ではない。それは多様な人々が交差する「共生社会」という未来の景色へと、着実に繋がっている。逆境を強みに変えた彼の言葉と滑りからは、まさに「今」を生きる力が感じられた。

PROFILE 大内龍成(おおうち・りゅうせい)
アダプティブスケートボーダー・鍼灸師
2000年生まれ、福島県郡山市出身。進行性の目の病気「網膜色素変性症」により現在までに視界の95%以上を失っている。中学時代にスケートボードと出会うが、病状の進行とともに絶望し、”見えているふり”をする時期も経験。同じ病気のスケーター、ダン・マンシーナの存在に勇気を得て、「降りなければ、ずっとやれる」と本格的にブラインドスケーターとしての活動を再開。現在は鍼灸師として働く傍ら、研ぎ澄まされた感覚と独自のロジックを武器に挑戦を続け、2025年8月にスペインで開催された国際大会「オマリスキーニョ」では3位に入賞。自身の経験を通して「共生社会」の実現を目指している。

text & photos by Yoshio Yoshida(Parasapo Lab)

配信元: パラサポWEB

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