最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
「週5日8時間は無理」”虚弱体質”の私が、ハローワークを門前払いされ28歳で就職を諦めた日

「週5日8時間は無理」”虚弱体質”の私が、ハローワークを門前払いされ28歳で就職を諦めた日

仕事は1日4時間が限界。徹底してきた健康習慣とはたらき方の工夫

──虚弱体質ではたらき方に制限がある終電さんは、文筆家として活動されている現在どのようにはたらいているのでしょうか?

フリーランスの文筆家なので、基本的に自宅で仕事をしています。1日の仕事時間は、長くても4時間以内。健康を保つためには、これが限界なんです。

締め切りが迫っていれば8時間くらいはたらくこともありますが、そのぶん体調を崩すリスクも上がります。今のところ仕事に大きな穴をあけたことはありませんが、過密スケジュールで無理をした後は、必ずと言っていいほど体調を崩しますね。

──実際の1日のスケジュールはどのような感じですか?

少しでも健康を保つためのルーティンを徹底した生活を送っています。ここ数カ月は朝6時くらいに起きて、栄養バランスを考えた朝食を食べ、ラジオ体操をやって、ジョギングを済ませ、昼食を食べるというのが午前中の流れです。

ほかにも筋トレの習慣もあり、家事や買い物をしていたらあっという間に1日が経っていますね。そのルーティンの合間に仕事をこなすという日々を送っています。

──徹底した健康習慣をつくっているんですね。

26歳のときから本格的に健康に気を使いはじめました。健康的な生活をしていないと、「健康的な生活をしていないから不健康なんじゃないか」という疑念が抜けないんです。でも、ある程度健康的な生活をしても不健康なんだっていうことを知ると、虚弱にもあきらめがつくんですよ。

仕事環境においても、少しでも身体に負担をかけないよう工夫してきました。

また眼精疲労が溜まると原稿執筆の効率がさらに落ちるので、パソコンの画面は目線の高さにセットしてブルーライトはオフにしています。腰と首になるべく負担をかけないよう、よほどのことがない限りは喫茶店やファミレスなどで作業することはありません。

──それだけ徹底していても、フルタイムではたらける体力には届かないと。

そうですね。本を出版していたり、有名な媒体で書いていたりという情報だけ見ると「儲かっている」と思われることも多々ありましたが、実際には体力がないからはたらく時間が普通の人の半分以下で、そのぶん収入も低いのが現実です。

『虚弱に生きる』には具体的な年収を書きましたが、月収の間違いだと思われかねないレベル。しかも健康維持にもお金がかかります。

今はフリーランスなので仕事時間は自由ですが、仕事量も収入も不安定なので、決して「虚弱にはフリーランスが向いている」という状況ではないです。

文筆家を続けたから、虚弱が「革命」になった

──虚弱体質に苦労されてきた終電さんですが、今回『虚弱に生きる』を出版されて、同じような悩みを持つ読者からSNSを中心にたくさんの共感が集まっていますよね。なぜ、今「虚弱」がこんなにも注目されているのでしょうか?

社会が人々に要求する体力のレベルが高すぎるからだと思います。一人暮らしをしながらフルタイムではたらいて、家事までこなすことが「最低限の自立」になってしまっているわけですよね。

共働きが一般化している中で、家庭を持っている人の場合でも、はたらきながら子育てをして、さらに家事もこなすとなると、平均的な体力があったとしてもしんどいですよね。

体力があるかどうかって、置かれた環境によって相対的に判断されるものじゃないですか。社会が求めている体力のレベルに対して、自分の体力が足りていないと感じる人が多いから共感してもらえたんじゃないかと。

──実際に虚弱エッセイが話題になってどう感じましたか?

革命でしたね。これまで虚弱体質は人生にとってマイナスでしかなかったので、プラスにはたらくのは正直、思ってもみないことでした。

自分の欠点だと思っていたことが人の役に立ったり、同じように困っている人の支えになったりしている様子を目にすると、「この体質で良かったのかも?」と感じることも。まあ、虚弱でなかったらもっといろんなことができたはずなのですが……(笑)。

「週5日8時間は無理」”虚弱体質”の私が、ハローワークを門前払いされ28歳で就職を諦めた日

──最初は消去法として始めた仕事でも、続けてきたことで終電さんの中で「革命」が起きたんですね。

そもそもこの仕事をしていなければ、虚弱が人の役に立つなんて起こり得なかったことでした。これまでもいろいろなエッセイを書いてきましたが、今回の虚弱エッセイはダイレクトに「読んで救われた」と言ってもらえる機会が多くて。

アルバイトもままならず、就職もできなかった私にとって、今の状況はやっと「社会に参加できている」と思える。それがうれしいんです。

それに書籍が話題になったことで、私が昔から憧れてきたクリエイターや作家の方とのイベントや対談がかなって、本当に「なんとか続けてきてよかったな」と。

提供元

プロフィール画像

スタジオパーソル

スタジオパーソルは読者層20代~30代のはたらく若者へ向けた、はたらく自由と未来の可能性を広げるWebメディアです。

あなたにおすすめ