MotoGP日本GPを制したのは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤだった。レース終盤にはマシンから白煙が上がるシーンも国際映像に捉えられたが、本人は何も感じていなかったという。
今季絶好調で連勝を重ねていたマルク・マルケスに対し、バニャイヤは大苦戦。ここ数戦は上位フィニッシュもできない状態だった。しかし日本GPでは大復活を果たした。予選ではポールポジションを獲得し、スプリントレースでも勝利。そして決勝レースでも強さを発揮し、マルケスを抑えてトップチェッカーを受けた。
勝利を手にしたバニャイヤは、ここまで厳しい状況が続くのを受け入れるのが難しかったと認めた。なにしろバニャイヤは、2022年、2023年と2年連続でMotoGPチャンピオンに輝いたライダーである。
「今シーズンは、自分自身に多くの疑問を投げかけてきた」
バニャイヤはそう語った。
「自分が誰なのか、分からなくなる瞬間もあったんだ」
「予選21番手で、レースも良くない……そういう時もあった。信じられなかったよ」
「チームメイト(マルク・マルケス)はとても強かった。そして弱気な態度は、大きな影響をもたらす。今年になって初めて、それを学んだんだ。彼は最速ではなかった時もあったけど、よく勝った。チャンピオンだけができることだ」
■白煙を上げるマシン……しかしチェッカーまで耐えた!
決勝レースでのバニャイヤは、前日のスプリントに続き全周をリード。後続に付け入るチャンスを与えなかった。
しかしレース後半、バニャイヤのマシンからは白煙が噴き出すようになった。その度合いは周回を重ねるごとに酷くなっていき、ドゥカティのガレージ内の面々も、不安な表情を隠さなかった。
しかしバニャイヤの勢いが削がれることはなく、最終的にはマルケスに4.196秒の差をつけてトップチェッカー。ドゥカティとしても1-2フィニッシュを達成した。
「僕には何が起きたのかは分からない」
そうバニャイヤは語った。
「最後の3〜4周で、少しパワーが足りないと感じた。それ以外は何も気付かなかった。でも、もし今日そのことで勢いを削がれていたら、人生で最も悔しい思いをしただろうね」
「完璧な週末だった。嬉しいし、一方で(好結果を残すのがこんなに遅くなったことについて)腹が立っている」
バニャイヤは、さらに次のように続けた。
「再びダブル(スプリントと決勝の両方で勝利)を達成できて、最高だった。昨年のバルセロナ以来だ。スタートダッシュを決め、レース全体をコントロールすることができた。まさに自分のスタイルだ」
「プッシュして、バイクを楽しみたかった。昨年以降、そんなことは一度もなかったんだ。ミサノテストまで、それができなかったんだ」
バニャイヤはまた、今季のチャンピオンに輝いたマルケスを祝福した。
「マルクの今季、そしてこの6年間を言葉で言い表すのは難しい。彼は怪我など、誰も経験したことのない困難を乗り越えた。素晴らしい精神力を持っていたんだ」
「彼と戦いたかった。彼は2〜3レースを除いて、シーズンを通じて完璧なパフォーマンスを見せてくれた。本当に素晴らしい。マルク、彼の家族、(パートナーの)ジェンマ、そして常に彼を支えてきたチームを、心から祝福したい」
しかしバニャイヤは、来季こそマルケスを倒すと意気込む。
「来年もまた学び続け、彼を苦しめるチャンスを掴むつもりだ」
「今日マルクは、世界選手権を終わらせた。それは言い訳になるかもしれない。でも今後のレースで、僕らが戦い始めることができるかどうか、それが分かるだろう」

