ホンダのジョアン・ミルは、MotoGP日本GPでチーム加入後初となる表彰台を獲得。これまでの苦しい時期が長かったこともあり、喜びを噛み締めている。
ミルはスズキ時代の2020年にMotoGPチャンピオンとなり、同社の撤退を機に2023年からホンダへ移籍。しかしそこから苦しい時期が続いた。
2010年代はマルク・マルケスと共に優勝争いの常連だったホンダは、彼の怪我とコロナ禍をきっかけに大苦戦する低迷期に突入。ミルはそんな時期にホンダへ加入したが、なかなか浮上のきっかけを掴めないままだった。
しかし2025年シーズンにホンダは着実な進歩を示し、後半戦にはトップ10争いが当然のモノになるなどライバルとの差は縮まってきていた。そしてホンダの母国戦日本GPで、ミルはさらに速さを発揮した。
予選ではポールポジションを争うスーパーラップを刻み、最終的に2番手を確保。スプリントレースでもマルク・マルケスを相手にバトルし、表彰台まであと一歩の4位フィニッシュを果たしたのだ。
当然決勝レースに向けても期待は高まっていたが、ミルはそれに応えた。ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)を攻略した後は、ペースの落ちたペドロ・アコスタ(KTM)をレース中盤に追い抜き、3番手に浮上。以降はポジションを落とすこと無く、2021年アルガルヴェGP以来、そしてホンダ移籍後初の表彰台を獲得した。
多くの不運にも見舞われ、ホンダで長く苦しんだこともあり、ミルは今回の表彰台の喜びを噛み締めている様子だった。
「実際、僕にとってはとても厳しい時期が続いていた。難しい時期のホンダへの移籍を決めた時から、好結果が出ない時期は長いだろうと予想していたけど、こんなに時間がかかるとは思いもしなかった」
「決して諦めずにやってきたし、本当にいつもというわけじゃなくても、自分たちに起きていることからポジティブな要素を見つけようと努めてきたんだ」
「だから、今回の表彰台がどれだけ素晴らしいかが想像できるだろう? レースは1周1周、ライバルとのバトルを楽しんでいたよ。長い間そういうことはできていなかったんだ」
「チームとしても超嬉しいことだ。彼らはこの結果に値するよ。そして、カムバックを果たすにあたって、ここ日本以上に適した場所は存在しないだろう」
「ホンダにとっても本当に嬉しいことだと思う。彼らに感謝したいし、ホンダにふさわしい結果だ」
そしてミルは、MotoGP世界チャンピオンであるにもかかわらず、ホンダで苦しんでいる間に一部の世間では低く評価されていることについて訊かれた。
「いや、僕は彼らみたいには思わない。スポーツ全般でそうだけど、直近の結果が、その人の価値を決めると思われているところがある」
「でも、僕はそうは思わない。結局のところ誰もが同じような問題を抱えていると思う。スマホの向こうに隠れて何の益も無いことを話すのは簡単だからね」
「僕は自分の成し遂げてきたことをちゃんと理解している。それにこの世界について知っている人なら、ありのままに評価してくれると思う。今日は超優れていて昨日は破滅的だったというわけじゃないんだ」
「僕らはたくさんの人の視線にさらされている。アンチやヘイトのようなものもあるけど、それが僕の人生を変えてしまうことはない。絶対にね」

