『DESTRUCTION in KOBE』兵庫・神戸ワールド記念ホール(2025年9月28日)
○辻陽太vsデビッド・フィンレー×
辻が大熱戦を制して、G1公式戦で敗れていたフィンレーに雪辱を果たした。
辻は昨年のG1公式戦、G1準決勝、そして今年の1・4東京ドーム大会でのGLOBAL王座戦とフィンレーにシングル3連勝。しかし、今年のG1公式戦ではフィンレーが勝利して一矢報いている。G1最終日となった8・17有明大会での8人タッグマッチでも両者は激しくやり合うと、無所属とBC WAR DOGSによるシングル3番勝負の一戦として、因縁の対決が再び行われることに。フィンレーはG1の準決勝でEVILに敗れた辻をしつこく断罪。一方、“フィンレーキラー"を自称する辻もリベンジを予告していた。
場外戦で先制した辻だったが、フィンレーは花道上でアイリッシュカースをズバリ。場外からエプロンめがけてのバックドロップも決めると、リングでは早くもパワーボムの構えに。しかし、辻はリバースしてコーナーマットに叩きつけて逆転。抵抗するフィンレーをなんとか雪崩式フランケンでぶん投げた。お互いを知り尽くしているだけに、その後の先読み合戦ではどちらも譲らない。
ようやくペースを握ったフィンレーは剥き出しになったコーナー金具めがけてのパワーボムの構えに。辻はこれをフランケンで切り返し、逆にコーナー金具に激突させると、場外に転げ落ちたフィンレーに対してトペスイシーダを敢行。勢いを掴むと、ブレーンバスターボムもさく裂する。そしてお株を奪うパワーボムを狙うが、決めさせないフィンレーはカナディアンハンマーから再び攻勢。コーナー金具に顔面から投げつけ、ワンハンドバックブリーカー、投げ捨てパワーボムと大技を連発した。
粘る辻も投げ捨てジャーマンからジーンブラスターを狙ったものの、首を絡め取ったフィンレーは横に回転し、そこから流れるようにINTO OBLIVIONをズバリ。お株を奪うマーロウクラッシュへ。避けた辻もマーロウクラッシュを放ったものの、先読みしたフィンレーはPrima Noctaで撃墜する。そして、オーバーキルをしつこく何度も狙っていく。
辻も同じようにヒザ蹴りを決めると、ジーンブラスターで再び突進するが、フィンレーはヒザ蹴りで迎撃し、ついにオーバーキルがさく裂。だが、辻はギリギリで肩を上げると、再度のオーバーキル狙いを不時着してしのぎ、ジーンブラスターをぶち込んだ。今度はフィンレーが肩を上げて、試合は継続に。
フィンレーはジーンブラスターを首固めで切り返してみせるが、辻も追撃を防いで、ジャンボスープレックスでぶっこ抜いた。さらに、コーナー上にフィンレーを据えると、ゲレーロスペシャルで真っ逆さま。そして、今度こそジーンブラスターを叩き込んで3カウントを奪った。
辻がフィンレーを撃破。G1で敗れた雪辱を果たした。試合後、辻から握手を求める。場内は大きくどよめいたものの、フィンレーは応じなかった。前日、宝塚歌劇団を観劇し、「宙組にも桜木みなとという横浜の新たなスターが誕生した。俺も負けてらんねぇんだよ。同じ横浜出身としては、やってることは違うかもしれない。でも、表現者としてのプライドとしては通ずるものがあるはず」と刺激を受けたという辻。「俺も桜木みなとさん、宙組に負けぬよう、しっかりとこの新日本プロレスを盛り上げていく覚悟だ」と誓うと、「俺のもとには今、何もない。この新日本を引っ張ると言ってる俺にはやはり勲章が必要だ」と言い切った。そしてセミファイナルで鷹木信悟を破ってGLOBAL王座を死守したゲイブ・キッドの前に現れ、挑戦を表明した。
【辻の話】「実は昨日、宝塚歌劇団を観に行ったんだよ、宝塚のな。宙組にも桜木みなとという横浜の新たなスターが誕生した。俺も負けてらんねぇんだよ。同じ横浜出身としては、やってることは違うかもしれない。でも、表現者としてのプライドとしては通ずるものがあるはずだ。俺も桜木みなとさん、宙組に負けぬよう、しっかりとこの新日本プロレスを盛り上げていく覚悟だ。これでG1のフィンレーの借りは返した。でもな、足りねぇんだよ。俺のもとには今、何もない。この新日本を引っ張ると言ってる俺にはやはり勲章が必要だ。(※会場で流れ始めた鷹木の入場曲がバックステージまで聞こえてくると)ちょうど今、聞こえてきたけどよ、やっぱり新日本プロレスにも俺と同じ考えを持ってるヤツがいるんだよな」
【フィンレーの話】「クソ……。ツジ、俺とお前は何年も闘い続けてきた。実際、俺たちは戦争をしてきた相手だ。俺が勝ってはお前が勝ち、そしてファンが勝つ……終わりのない闘いを続けてきた。お前は俺のキャリアを縮めた。俺もお前のキャリアを縮めた。徹底的にやり合ってきたんだ。それなのに、いまさらお前は休戦に同意しろって言うのか? “友情"の手を差し出すって言うのか? それについては考えさせてもらうぜ、ビッグ・ドッグ。じっくりと時間をかけてな。というのも、いくつか疑問がある。まずはなぜだ? なぜお前がそうしたいのか? それで俺に何の得がある? お前が得するのはわかってる。だが、“SAVAGE KING"が得るものはなんだ? もし答えが分かったら返事をする……俺のタイミングでな。だがな、その間に一言忠告する。もし俺が右手を友情の証として差し出すことがあったら……坊や、左手に武器を持ってないか賢く見ておけよ」
