
「S.H.Figuarts 亀仙人」(TAMASHII NATIONS) (C)バードスタジオ 集英社/東映アニメーション
【画像】え、「誰だお前」「印象変わりすぎる」 コチラが伝説の「髪の毛フサフサ」な亀仙人です
無駄を省くためだが手抜きではない
『ドラゴンボール』公式サイトが開催した「全世界キャラクター人気投票」の結果発表が、2026年1月24日に行われます。数々の人気キャラがいるなかで、誰が上位に入るのか、気になるところです。
さて、本作に登場する、次のキャラクターの見た目に関する共通点は何でしょうか?
「フリーザ、ブウ、セル、天津飯、ナッパ、亀仙人、クリリン」
……それは、「髪の毛がない」ということです。『ドラゴンボール』には、「スキンヘッド」のキャラが多い特徴があり、名前が付く者で20人以上になると思います。特に、人間と容姿が明らかに違う異星人キャラには、毛髪の概念がほとんどありません。
その理由は、作者の鳥山明先生いわく、「描くのが楽だから」でした。これは、鳥山先生がいろいろなインタビューで語っている有名な話で、「孫悟空」を金髪の「スーパーサイヤ人」にした理由も「髪を黒く塗らなくてよくなるから」です。
また、「戦うキャラは描写が多くなるから、できるだけ簡単にしたい」とも話しています。つまり、鳥山先生にとって、髪は作画コストの象徴だったのです。戦闘シーンで何百コマも描く強いキャラほど、スキンヘッドのデザインが多いと分かります。
表情が伝わりやすい
上記の話を知ると、鳥山先生は「楽をしたかっただけ」のようにも見えますが、それはあくまで結果論で、スキンヘッドキャラにはバトルマンガならではのメリットがたくさんありました。
まず、前髪がないと顔に影を入れやすいため、「怒り、恐怖、焦り、余裕」などといった感情が一目で伝わりやすくなります。「クリリンの恐怖」、「天津飯の覚悟」、「フリーザの狂気」、「セルの冷笑」など、どれも髪に隠されない顔だからこそ浮き出たといえるでしょう。バトルマンガにおいて、「今、誰が優勢なのか」を瞬時に伝えることは極めて重要なので、スキンヘッドはそのための完成形といえます。
他にも
・男性か女性か、すぐに判断できる
・武道家であること、ストイックというイメージがつきやすい
・悟空のトゲトゲ剛毛がカッコよく映り主役が立った。スキンヘッドは最高の対比
……などのメリットが挙げられます。
余談ですが、「魔人ブウ編」から「クリリン」が髪の毛を生やしたのは、戦士の役目を終えて激しい戦闘描写を描くことがなくなったので、今までは武闘家として剃っていた頭髪を生やしたからだそうです。このように、髪の毛の必要性も考慮していたのが分かります。
『ドラゴンボール』の編集担当だった鳥嶋和彦さんは、キャラ作りについて、「読者が1コマを見て、敵か味方か、強いか弱いかを分からせること」「複雑なデザインは少年マンガに向かない」という趣旨を鳥山先生に伝えていたそうです。
そのため、フリーザ、セル、魔人ブウら後半の強敵ほど、線が少ないシンプルなデザインになっていたように思います。「スキンヘッド」には、作画の効率の良さとデザインの哲学が凝縮されていたわけです。
さて、世界人気投票ではスキンヘッドキャラたちがどれくらい上位に来るのか、楽しみに結果発表を待ちましょう。
※参考資料:『DRAGON BALL 大全集』(集英社)、『鳥山明○作劇場』(集英社)など
