「高給の仕事がある」との誘いを受けて、カンボジアに渡航。ところが現地で足を負傷し、激しく痩せ細った姿で保護された――。
これは昨年末、カンボジア南部の港湾都市シアヌークビルで、中国のギャル系インフルエンサー・Umiさんが衰弱した状態で路上に倒れているところを発見された様子だ。Douyinで2万人以上のフォロワーを持っていた彼女は、昨年12月6日を最後に、SNS更新が途絶えていた。
その背景を探ってみると、東南アジア一帯で横行する闇バイトや詐欺組織の存在が浮かび上がってくる。20歳のインフルエンサーを襲った「甘い誘いの罠」とはどんなものだったのか。
実はこうした闇バイト被害は、カンボジアでは決して珍しくない。他国に比べてビザ取得が容易な上、就労実態のチェックや現場への立ち入り監査が甘く、本来は違法となる外国人就労でも黙認されやすい土壌がある。特にシアヌークビルのような港湾都市や地方都市では、その傾向が顕著だ。
そのため、首都プノンペンには日本人向けのキャバクラが複数、存在する。現地の飲食関係者が語る。
「仕事自体は普通ですが、事件やトラブルが多いのは事実です。夜は治安が悪いため、女性スタッフは基本的に夜間の単独外出は禁止。住まいも店と併設した寮で、同伴やアフターは認めていても、必ず店(寮)まで送ってもらうのがルールです。お客さんの間でも、タクシーに乗ったら強盗に遭った、という話は日常的です」
高給、安全、簡単。そんな言葉で若者を海外へ誘い出す闇のリクルートは、今も形を変えて続いている。Umiさんの一件は、海外での仕事に潜む危険性と、甘い誘いの裏にある現実を改めて突きつけた事件と言えるだろう。
(カワノアユミ)

