『DESTRUCTION in KOBE』兵庫・神戸ワールド記念ホール(2025年9月28日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○ザック・セイバーJr.vs成田蓮×
ザックが天敵の成田を執念で返り討ちにして、IWGP世界ヘビー級王座V2。10・13両国大会で行われるG1覇者・KONOSUKE TAKESHITAとの頂上決戦に駒を進めることになった。
IWGP世界ヘビー級王者のザックはG1公式戦(7・19札幌)で成田に敗北。NEW JAPAN CUP2回戦(3・15堺)に続き、成田に2連敗を喫した。遺恨を引きずる2人は8・16有明大会でも大乱闘を繰り広げると、両者は至宝をかけての対戦に同意。勝者がG1覇者のTAKESHITAを10・13両国大会で迎え撃つことも決定した。
試合はグラウンド戦で幕開け。アグレッシブに仕掛けてくるザックに対し、2連勝している天敵の成田は冷静に対応する。そして、前哨戦ではパイプイス攻撃などで痛めつけてきた左ヒザに照準。正攻法の関節技のみならず、パイプイスで殴りつけたり、鉄柵や鉄柱を使ってのレッグロックで絞め上げたりと、硬軟使い分けて一点集中攻撃を展開した。絶対的なテクニックを誇るザックも防戦一方に。
打撃戦で活路を開いたザックは、成田が必殺の地獄の断頭台を放ってきても、空中で足をキャッチして、変型STFに捕獲。そこから変型腕十字に切り換えてギブアップを迫る。決定的な場面だったが、セコンドについた高橋裕二郎がエプロンに上がってレフェリーの注意を引きつけると、成田は足に噛みついて関節技から脱出。無法地帯になったのいいことに、改良型プッシュアップバーでヒザを殴りつけると、ヒザ十字固めで執ように絞め上げた。
執念で耐え抜いたザックがザックドライバーで大逆転を果たし、変型羽根折り固めで絞めに絞めるが、今度はSANADAが乱入。海野レフェリーを排除すると、再びリングに飛び込んだ裕二郎がステッキ攻撃を仕掛ける。ザックはこれをSANADAに誤爆させることに成功。SANADAも場外に排除すると、セコンド陣がバックステージへと連行した。
粘る成田は金的攻撃からダブルクロスを決めると、再び地獄の断頭台へ。ザックはこれを蹴り飛ばして迎撃する。ヒザを攻め込まれると再び苦もんの表情を浮かべるが、それでもスリーパーで締め落としにかかった。ヒザを蹴って逃れた成田はブリザードスープレックスホールドを決めたものの、ザックはキックアウト。ビンタ合戦となると、どちらも崩れ落ちたものの、ザックは成田の金的攻撃を防いで再度ビンタを一撃。こん身のランニングローキックからセイバードライバーを決めて、熱戦に終止符を打った。
ザックがヒザへの一点集中攻撃を耐え抜いて、執念で天敵の成田を撃破。IWGP世界ヘビー級王座V2を果たし、TAKESHITAとの頂上決戦に駒を進めることが決定した。
試合後、マイクを持ったザックは日本語で「オイ、ナリタ、オマエ。HOUSE OF TORTURE、イラナイヨ。チャントヤッテ。バカヤロー」と成田に通告。「オイ、コウベドウデスカ?」と投げかけて歓声を巻き起こすと、「ツギ、チョウセンシャハダレダ? TAKESHITAセンシュ、ハイドウゾ」と呼び込んだものの、TAKESHITAは現れない。ザックはテレビカメラに向かってTAKESHITAを挑発。「THE ALPHA、俺は“The Front Man"であり、IWGP世界ヘビー級王者だ。1対1で戦うぞ」と英語で言い放ち、「リョウゴク、タノシミ!」と叫んで、大きな拍手を巻き起こした。
TAKESHITA戦の先に1・4東京ドーム大会を見据えたザックは「トーキョードームハモウスグ。ダレダ? ツギノヤングジェネレーションノセンシュハダレ?」と新世代の選手たちを挑発。最後は英語で「ザック・セイバーJr.は世界一の技巧派レスラーだ。ザック・セイバーJr.はIWGP世界ヘビー級チャンピオンだ。ザック・セイバーJr.は王者としてトーキョードームに向かう。これは決まっていることだ」と豪語し、「アリガトウ、コウベ!」と叫んで激闘続きの神戸大会は終了となった。
「あのガキ、テクニック持ってやがるぜ! あいつには“ワザ"がある。くだらねぇ茶番はクソ喰らえだ! 仲間たちが介入することなんてどうでもいい。レン・ナリタが8年前に新日本プロレスに来て以来、俺からタップアウトを取る一番近いところまでいった。だからお前に敬意を表するぜ、このクソガキが!」と文句を言いつつも成田を高く評価したザック。両国大会で激突するTAKESHITAにも「これで準備は整ったな、タケちゃん。あと数週間はアメリカでの生活を楽しめ。俺こそが新日本を代表してるんだ。国内だけじゃない。世界中でだ、このバカ野郎! お前のこと待ってるよ……リョーゴクで待ってる」とメッセージを送った。
「そのあとは……破らないといけない防衛記録がある。あのゴトーが俺の記録を打ち破ったからな。だから俺は王座を防衛していく」と後藤洋央紀が樹立した最多防衛記録(7回)の更新も視野に。今後は新日本のみならず、他団体への参戦も決まっており、ザックは充実の秋を迎える。「ザック・セイバー Jr.はこれからも長い期間、IWGP世界ヘビー級王者でい続けるんだ。2年連続、王者としてトーキョードームに挑むだけじゃなく、王座防衛を果たすんだ。誰が新日本プロレスの未来か、選んでもらって構わない。でもザック・セイバー Jr.が基準で、それに追いつけるヤツは他にいるかって話だ!」と自身に満ちた表情で語っていた。
【ザックの話】「(※日本語で)ヤングライオン! ヤングライオン! (※英語で)なんでお前らこっちこないんだ? (※缶ビールを開け)……1人だけど、自分に乾杯だ、IWGP世界ヘビー級王者に(※と言って1人で乾杯をしてからビールを飲む)。(※日本語で)デモ、サイショ、レンレン、レンレンハ、(※英語に戻り)この数年間、お前はそこにいたってわけか。お前の持ってた全ての可能性……シバタの“ワンダーボーイ"として……そしてスズキに見そめられて……その後の道は知っての通りだけど……あのガキ、テクニック持ってやがるぜ! あいつには“ワザ"がある。くだらねぇ茶番はクソ喰らえだ! 仲間たちが介入することなんてどうでもいい。レン・ナリタが8年前に新日本プロレスに来て以来、俺からタップアウトを取る一番近いところまでいった。だからお前に敬意を表するぜ、このクソガキが! 素晴らしかった。いったい、どうやって勝ったんだ? この俺の信じられないような“闘魂(ケツ)アゴ"以外で何が勝ってた? それは俺がただのテクニカルレスラーじゃないってことだ。もしこの俺とケンカがしたいなら、レン・ナリタにどうか聞いてみるんだ。今頃恐らくトレーナー室で意識を失ってるだろう。“タケちゃん"がそうだったようにな。俺はG1の前もその最中もTAKESHITAに敬意を払ってた……お前は一流のレスラーだからな。でもどこのクソ野郎でもこれを奪いにかかってきたら、俺の紳士的なスポーツマンシップは消え失せる。これで準備は整ったな、タケちゃん。あと数週間はアメリカでの生活を楽しめ。俺こそが新日本を代表してるんだ。国内だけじゃない。世界中でだ、このバカ野郎! お前のこと待ってるよ……リョーゴクで待ってる。そのあとは……破らないといけない防衛記録がある。あのゴトーが俺の記録を打ち破ったからな。だから俺は王座を防衛していく。まあ、今年は権力争いがないけどな。でも年寄りのシャチョーの凱旋大会が岐阜であって、凄く忙しい秋がやってくる。DDT……DRADITION……そして天龍プロジェクトへの参戦がある。もの凄く楽しみだ。ザック・セイバー Jr.はこれからも長い期間、IWGP世界ヘビー級王者でい続けるんだ。2年連続、王者としてトーキョードームに挑むだけじゃなく、王座防衛を果たすんだ。誰が新日本プロレスの未来か、選んでもらって構わない。でもザック・セイバー Jr.が基準で、それに追いつけるヤツは他にいるかって話だ! (※缶ビールを2本取り)じゃあな!」
※成田はノーコメント

