『DESTRUCTION in KOBE』兵庫・神戸ワールド記念ホール(2025年9月28日)
IWGP GLOBALヘビー級選手権試合 ○ゲイブ・キッドvs鷹木信悟×
ゲイブが鷹木を激闘の末に破ってGLOBAL王座V2。試合後、前王者の辻陽太が挑戦表明すると、ゲイブも受けて立つ構えを見せて、10・13両国大会でのタイトルマッチが決定的となった。
GLOBAL王者としてG1に出場したゲイブだったが、開幕戦で右ヒザを負傷すると、全公式戦を欠場に。その後、8月25日にロンドンで開催された『AEW x NJPW: Forbidden Door』で復帰することになったが、それに「チャンピオンの資格ねえよ。復活するならまず新日本だろうが」と苦言を呈したのが鷹木だった。タイトル返上も要求。無所属とBC WAR DOGSによる抗争に発展し、ゲイブと鷹木によるGLOBAL王座戦が行われることになった。
両者は昨年3度対戦して、ゲイブの1勝2敗。これまでも壮絶な激闘を繰り広げてきたが、4度目の一騎打ちも真っ向勝負となった。
いきなりゲイブがナックルパンチで殴りつけると、激しい打撃戦に発展。場外ではショルダータックル合戦、イスチャンバラまで繰り広げる。ゲイブが脳天にイスを振り下ろすと、座面が抜けるが、仁王立ちした鷹木はパンピングボンバーを振り抜いて場内をヒートアップさせた。
激闘は収まらない。ゲイブはコーナーから捨て身のケブラーダを敢行。観客席になだれ込んで殴り合うと、ゲイブが日本語で「コイ、オッサン」「オレハシンニホンプロレスダ!」と吠えてから、逆水平合戦、ラリアット合戦に突入。止まらないゲイブはエプロンでのセントーン、場外垂直落下式ブレーンバスターとたたみかけ、リングサイドにテーブルを設置した。そして、断崖式パイルドライバーの構えに。
しかし、場外に引きずり下ろした鷹木は場外デスバレーボムで反撃。正攻法で巻き返す。ゲイブの反撃をことごとく鎮圧して、「俺の時間が来た来た来た!」と叫ぶと、スープレックス合戦でも引かず、バックドロップでぶん投げた。負けじとゲイブが華麗な動きを見せて一転してペースを握り、トップロープから飛びついての雪崩式フランケンも決めると、こん身のラリアットを一閃。鷹木の猛抵抗を受けても、強烈なヒザ蹴りをぶち込んで、同時にリングに崩れ落ちる。
戦場がエプロンに移動すると、鷹木が仕掛けた。設置されたままのテーブルめがけて、断崖式MADE IN JAPANを敢行。テーブルは真っ二つにへし折れた。リングアウト寸前でゲイブはリングに戻ったものの、そこに鷹木はスライディングエルボーをズバリ。パワーボム、バーニングドラゴン、パンピングボンバーと惜しげもなく大技を連発すると、満を持して、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンへ。
踏ん張ったゲイブはパイルドライバーで逆に突き刺す。ここぞとばかりにゲイブは手首を固めてのラリアットを連打。ビンタを打ち合うと、鷹木のリバースフランケンを食らってもすぐさま立ち上がって、ラリアットを振り抜いた。鷹木はカウント1で肩を上げると、場内はドッと沸く。ならばとゲイブはヒザ蹴りからマッドマンボムと猛攻。最後は必殺のレッグトラップパイルドライバーで突き刺して3カウントを奪った。
ゲイブがGLOBAL王座V2に成功。試合後、自ら手を差し出して鷹木と握手を交わした。ここで、第6試合でデビッド・フィンレーとの激闘を制した辻が登場する。辻とゲイブはGLOBAL王座を懸けて今年2度対戦。2・11大阪大会は両者KOとなり、当時王者だった辻が防衛に成功したものの、6・15大阪城ホール大会ではゲイブが雪辱してベルト奪取に成功していた。
前王者としてリベンジを狙う辻は「ゲイブ、どうやらお前は少し変わっちまったようだな。でも、俺とお前、やろうとしていることは変わらない。俺とお前は同じことをやろうとしている。俺にはそのベルトが必要だ。今度は挑戦者として俺がお前に挑む。覚悟はいいか?」と挑戦表明。ゲイブはベルトを高々と掲げると、「オマエハチョウセンカ。オマエハチャレンジャー。イイ、ダイジョウブ。10ガツ13、リョーゴク、コイヨ。イチバンノライバル」と受諾し、10・13両国大会での対戦が決定的となった。
バックステージでも「モウイッカイ、ツジ。ニガツ、ロクガツ、そしてジュウガツ。問題ない。問題ない。ハッキリさせよう。俺がハッキリさせる。ツジ、お前は俺の一番のライバルだ。お前を追いかけているわけじゃない。俺はお前に相対している。俺は何度でもお前と闘う。俺たちで今のこのレベルを上げていくんだ」と辻に投げかけたゲイブは「今のレベルを上げよう。いつも俺たちが話している高さまで持っていくんだ。だが、その試合はそのためだけのものじゃない。俺がトーキョードームのメインイベントに立つためのものでもある」と新春の東京ドーム大会のメイン出場まで見据えた。
「お前に負ければ、俺は自分の望みを叶えるための権利をすべて失う。だから、これはシンゴにも言ったことだが、リングで死ぬ気で挑んでこい。なぜなら、俺はまさに限界を超えていくつもりだからだ」と覚悟をあらわにすると、「やるぞ。やり遂げよう。リョーゴクでお前たちは未来を見るのではなく、新日本プロレスの現在を見る」と断言。両国大会では現在進行系の新日本プロレスを観客に突きつける構えだ。
【ゲイブの話】「何回言えばアルコールフリーのを用意してくれるんだ。ゼロアルコール。キョウ、ヒャクジュウゴニチ、アルコールナシ。ヒャクジュウハチニチ、スモーキングナシ。俺はキャリアの頂点にいる。いや、まだだ。高みにたどり着いて、偉大に到達する道の途中にいる。最高の選手の1人になるべく……いや、最高の選手の1人ではなく、唯一の最高の選手になる。(※ベルトを立てて)そして、これがその象徴だ。スタンダードなんだ。第1試合か、セミかメインかなんてどうでもいい。俺こそがメインイベントだ。俺はこの団体史上一のレスラーだ。この宇宙で最高のレスラーだ。外に目を向けると皆、くだらないことを言っている。『彼には無理だ』『結局、ああいうタイプのレスラーだからだ』とか。クソくらえ。朝食にして食ってやる。これが今のレベル、スタンダードだ。俺に挑戦したいなら、このレベルまで、俺のスタンダードまで上がってこい。そして、次の挑戦者はすでに意志を固めたようだ。モウイッカイ、ツジ。ニガツ、ロクガツ、そしてジュウガツ。問題ない。問題ない。ハッキリさせよう。俺がハッキリさせる。ツジ、お前は俺の一番のライバルだ。お前を追いかけているわけじゃない。俺はお前に相対している。俺は何度でもお前と闘う。俺たちで今のこのレベルを上げていくんだ。俺が今の基準点だ。お前がリョーゴクで俺に挑戦するっていうんなら問題ない。家に帰って、ネコに会う予定だ。72時間だけ戻る。その後は、飛行機に乗り日本に帰ってくる。月曜に立って金曜に戻る。それが王者の仕事だろ? これこそ王者だ。だから引き受けた。2週間後にリョーゴクで。迎え入れてやる。今のレベルを上げよう。いつも俺たちが話している高さまで持っていくんだ。だが、その試合はそのためだけのものじゃない。俺がトーキョードームのメインイベントに立つためのものでもある。お前に負ければ、俺は自分の望みを叶えるための権利をすべて失う。だから、これはシンゴにも言ったことだが、リングで死ぬ気で挑んでこい。なぜなら、俺はまさに限界を超えていくつもりだからだ。やるぞ。やり遂げよう。リョーゴクでお前たちは未来を見るのではなく、新日本プロレスの現在を見る。そしてリョーゴクでは、俺のためにノンアルコールビールを用意しとけ」
【鷹木の話】「(※両ヒザ、両拳をフロアに着けて)強い、強かった。“フェイク・キッド"……いやゲイブ・キッドさん。シングルで2連敗だ。しばらくは“さん"付けしなきゃいけねえな、リスペクトを込めて。(※上体を起こし)ああ、負けちまった! 2025年の鷹木信悟……これで終わりか……。チキショー……。(※記者に対し)市川さん! あの28歳のクソガキ、俺のことを『お前はもう衰退してる、劣化してる43歳のオッサンだ』なんて言ったけど、試合見てもそう感じるか!? そう感じるか? 感じねえだろ? 会場にいた誰が感じてんだよ。一番ゲイブ・キッドが感じてねえはずだ。だが、その上をいった。敵ながらアッパレだ、ゲイブ。手段はどうであれ、目的はどうであれ、上を目指してる。強くなりたい、すごくなりたい、その気持ちは一緒だ。俺は英語が得意じゃないから、何言ってるかわかんねえけど、オー、細かいこと言えばシングル戦績、これで2勝2敗だ。逃がさねえぞ。勝ち逃げなんかさせねえからな。ゲイブ、俺がしっかり、勲章をゲットしたあかつきには、もう1回やろうぜ。もう1回だ。このまま逃げられてたまるか。もちろん俺は! 逃げるつもりねえ。チキショー……。(※記者に対し)岡本なんかある? いいとこなしだよ。2019年以降、必ずタイトル奪取したけど、いいとこなしだよ……。悔しいな。元DRAGON GATEのEitaのマイクのほうが盛り上がってたじゃないか、チキショー……。悔しいね、いろいろと。試合後、仲間かもしんねえ陽太がああやって出てきたのも悔しいよ。俺が勝ってれば、鷹木対陽太ってシチュエーションもあったからな。とことん悔しいね。クソーッ……」

