
数々の名作アニメ映画を実写化でも楽しませてくれているディズニーから、2026年早々に大きなニュースが到着。実写版「塔の上のラプンツェル」のメインキャストが解禁となった。主人公・ラプンツェル役に選ばれたのは、DCコミックスのスーパーヒーローを描いたドラマシリーズ「Titans/タイタンズ」で注目されたオーストラリア出身のティーガン・クロフト。相手役となるフリン・ライダーは、ディズニーチャンネルのヒット作「ゾンビーズ」シリーズで人気のマイロ・マンハイムが演じることに。日本でも人気の2人だけに、情報が公開されるとSNSには「期待しかない」「メロい」「ビジュ最高」などの声が上がった。その盛り上がりの今、あらためて元となるアニメーション映画「塔の上のラプンツェル」(2010年)の魅力を紹介する。(以下、ネタバレを含みます)
■ディズニー長編アニメ50作目のメモリアルな作品
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが初めて製作した長編アニメ「白雪姫」から数えて50作目となる「塔の上のラプンツェル」。
グリム童話「ラプンツェル」を原作に、王女として生まれるも、18年間一度も外に出ることなく高い塔で暮らしていたラプンツェルが、憧れを募らせた外の世界へと飛び出す冒険物語だ。金色に輝く長い髪を持つラプンツェルは、「白雪姫」の白雪姫、「シンデレラ」のシンデレラ、「リトル・マーメイド」のアリエル、「美女と野獣」のベルなどと並んで、“ディズニープリンセス”の一人として高い人気を誇る。
ディズニーアニメといえば、歌唱シーンも特長の一つだが、本作の音楽を担当したのは「リトル・マーメイド」や「美女と野獣」などを手掛けた巨匠アラン・メンケン氏。ラプンツェルの冒険を軽やかに、またその心情を繊細に表現するなどして物語を彩り、主題歌「輝く未来」は第83回アカデミー賞の主題歌賞にノミネートされた。
■3D描写で美しさが際立ち、共感も呼ぶ
本作の記念すべき点は、長い歴史を受け継ぐ50作品目というだけでなく、ディズニープリンセスで初の3Dで描かれた長編作品であることもその一つ。
ラプンツェルたちキャラクターが、それまでより立体的に見える楽しさ。表情やしぐさがよりドラマチックになった。物語の重要なポイントである、ラプンツェルの21mもの長さの豊かな髪の毛の艶やかな美しさも3Dだからこそ表現できたといえる。
他にも、例えばラプンツェルが初めて塔から地上に降りるシーン。風に揺れる草に足先が近づき、トンと大地に降り立ったときの質感。ラプンツェルが初めて感じる喜びが伝わってくるようだ。また、ラプンツェルが塔を出てみたいと思うきっかけになった、城からラプンツェルの誕生日に夜空に放たれるランタンのような無数の“灯り”。華やかな光景はラプンツェルの心を捉えたものとして説得力を出すだけでなく、見る側もその美しさに見とれる。

■現代的でもあるプリンセスの姿
3Dという新しい技術で映し出されるラプンツェルもまた、新たな時代のディズニープリンセスだ。
白雪姫は継母である女王によって生み出された魔法のかかった毒リンゴで命の危機となり、シンデレラは継母に虐げられる中で魔法使いの妖精によって変身して王子と出会う。そのようにラプンツェル以前のプリンセスたちは、ほとんどの場合、良きにつけ悪しきにつけ、魔法を受ける側。しかし、ラプンツェルは自身が魔法の力を持っている。
ある理由から髪の毛に魔法の力を宿したラプンツェル。王国の王女だったが、その魔法の力を狙ったゴーテルに誘拐されてしまう。ゴーテルは自分が母親だと偽り、外の世界は危険だからと言い含めて、ラプンツェルを18年もの間、高い塔に閉じ込めて生活させてきた。実はゴーテルは何百年と生きる老女で、ラプンツェルが宿した魔法の力で若く美しい姿を保っていた。
“母”の言葉を信じ、塔の中の生活で楽しみを見つけて暮らしてきたラプンツェル。その一つが、偶然にも自分の誕生日に城から上がる“灯り”。好奇心旺盛なラプンツェルは、18歳の誕生日にそれを近くで見たいと願うが、やはりゴーテルから反対される。しかし、作戦を考え、追手から逃れて塔にやって来た大泥棒のフリン・ライダーの手を借りて冒険の旅へと出る。ラプンツェルの髪が宿した魔法は、けがを癒やす力もある。その魔法だけでなく、“フライパン”を武器として力強く進んでいくのも、かわいくてカッコいい。
プリンセスという立場の主人公。その主人公を別の世界へと誘う男性とのロマンス。“母”というヴィランの存在。それが伝統ともいえる展開で、ディズニープリンセスたちは持ち前の優しさや知恵で一歩を踏み出してきた。そこからラプンツェルの物語は、自らの力を活用しながら切り開こうとする新しいエッセンスをまとったプリンセスとして、より現代に響くものとなっている。
そして、伝統でもある他のディズニープリンセスたちと同様に、ハッピーエンドを迎えるラプンツェル。その人気から、ラプンツェルとフリンの結婚式の裏側を描く「ラプンツェルのウェディング」やプリンセスとして戻った後の生活を描くテレビシリーズ「ラプンツェル ザ・シリーズ」など、続編も製作されている。
名作として引き上げたアニメ版をおさらいしつつ、実写版の完成を楽しみに待とう。
「塔の上のラプンツェル」や「ラプンツェルのウェディング」など関連作品はディズニープラスで配信中。
◆文=ザテレビジョンシネマ部

