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20歳で靴紐の結び方もわからなかった46歳ひきこもり男性「心は小5のままなのに、体が大人になっていて」9年ぶりに部屋を出た“意外なきっかけ”

20歳で靴紐の結び方もわからなかった46歳ひきこもり男性「心は小5のままなのに、体が大人になっていて」9年ぶりに部屋を出た“意外なきっかけ”

心は小5のまま体だけ大人になっていて衝撃

20歳のとき9年ぶりに外に出た。きっかけは、ゲームだった。そのころインターネットに接続できるゲーム機が発売され、オンラインゲームに熱中。ネット上の相手とはチャットでやりとりをしていたのだが、ケイさんは自分がひきこもりだとは言えず、フリーターだと称していた。

「例えば、『カラオケでバイトしてる』と言うと『どんなことするの?』と聞かれるけど、具体的には何も話せない。『大したことしてないよ』と逃げるけど、どんどん居心地が悪くなってきて、ウソにウソを重ねていくのがキツくなってくるんですね。

で、せめて自分が作り上げたフリーター像に追いつきたい。そのために、外へ出たいっていう気持ちが、ちょっとずつ湧いてきたんです」

だが、本当に大変だったのはそこからだ。外に出ようと決めて、初めて姿見鏡で全身を見たときのこと。

「ホント、衝撃的でした。心は小5のままなのに、体が大人になっていて、『誰だ、こいつは?』みたいな感じで。ビックリしましたね。名探偵コナン君と逆パターンです(笑)」

ずっと与えられたジャージやスエットで過ごしていたので、外に出るための洋服も靴もない。ケイさんが頼ったのは1人暮らしをしていた兄だ。お下がりをもらったが、スニーカーも自分1人で履けなかった。

「子どものときはベリベリって留める靴を履いてたんで、靴紐が結べなくて泣いたんです。誰かに見られるのが怖くて、深夜に散歩から始めました。1歩を踏み出したとき、コンクリートから跳ね返ってくる衝撃がすごくでかかったのが、新鮮でしたね」

実家から離れたほうがいいと言われ兄と一緒の部屋で同居したが、何もかもが初めてで最初は買い物すら怖かった。髪を切りに行ったときも、床屋の前で尻込みして帰ってきてしまい、家で泣きじゃくったという。

「電車も1人では乗ったことがないから、まず切符をどうやって買うのか、わからない。改札では、以前は駅員が鋏をチャンチャン鳴らして切符を切っていたのに、切符を通すと自動で出てきたので、『なんだ、これ?』って(笑)。兄に事細かに全部聞かないと不安で飛び込めなかったので、そのころは兄も相当負担だったと思いますね」

人間関係のトラブルでアルバイトが続かない

初めてのアルバイトはスポーツクラブの清掃。新聞の折り込みチラシで見つけた。

「何もできないと思っていたので、自分にもできることがあったと、うれしくはありました。ようやくフリーターへの一歩が踏み出せたなと」

1、2年後に1人暮らしを始めた。兄に「そろそろ別で暮らそう」と言われたのだが、自分の稼ぎだけでは足りず親に家賃を半分払ってもらった。その後もファストフード、カラオケなどいろいろなアルバイトをしたが、どこも人間関係のトラブルが原因で続かない――。

「普通に働けることに、ちょっとずつ自信を重ねていくと、子どもらしく調子に乗ってしまうんです。例えば、『俺はできるけど、君はこれできないんだ』とか、言葉の節々から棘が出てしまう。ウソを交えて誇張する癖も抜けない。

自分は学もなければ、人付き合いの経験もない。コンプレックスの塊だったので、自分のほうができているぞと言いたくなっちゃう。自己防衛の一種なんですけど」

データ入力のバイトをしているとき、ある社員からこう言われた。

「例えで出してるけど、これ、君のことだと気づいてないよね」

そのときは真意がわからなかった。だが、自分がよく思われていないということは感じて、その職場も辞めた。

「いつもそうなんです。自分が招いてることなんですけど、段々と居心地が悪くなって。後になって『ああ、あれは自分に対して言ってたのか』と気付く。それが積み重なって苦手が増えていって、どんどん追い詰められていっている自覚はありました」

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