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大先輩の励まし「もう1回、代表を目ざそうよ」。名古屋のシュミット・ダニエルが踏み出した力強い一歩「可能性は全然ある」

大先輩の励まし「もう1回、代表を目ざそうよ」。名古屋のシュミット・ダニエルが踏み出した力強い一歩「可能性は全然ある」


 長谷川健太監督体制4年目の2025年は16位に沈み、不完全燃焼感が色濃く残った名古屋グランパス。26年はJリーグを熟知するミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘。チーム再構築に乗り出したところだ。

 1月12日からの沖縄キャンプは24日に終了。これまでFC東京、水戸ホーリーホックとの練習試合で2連勝していた名古屋が最終日に対峙したのは、RB大宮アルディージャ。J2の強豪だが、名古屋にとってはカテゴリーが下のチームということで、確実に勝利が求められた。

 しかしながら、45分×3本の試合結果は2-3の敗戦。木村勇大、永井謙佑がゴールを奪った一方で、GKピサノ・アレックス幸冬堀尾がボールを奪われて失点するなど、後味の悪いミスも散見された。

「昨シーズンまでのやり方とまったく違うんで、チームとして前進するところで止まってしまう印象もあった。そこはまだ伸びしろですし、前向きに捉えて改善していきたい」と1本目に出場した藤井陽也も語ったが、2月8日のJ1百年構想リーグ開幕戦・清水エスパルス戦までにどこまで戦術理解を進め、チーム完成度を引き上げていけるのか。そこが大きな注目点ではないか。

 その名古屋にとって、1つの明るい材料と言えるのが、2022年カタール・ワールドカップ日本代表GKシュミット・ダニエルの復活だろう。大宮戦では、オリオラ・サンデーの決定機をセーブするなど活躍を見せており、調子は着実に上向いている。ミシャ監督からもファーストチョイスと位置づけられている様子で、このままいけば清水戦も先発が濃厚だ。

 ご存じの通り、シュミットは名古屋で2年目。ちょうど1年前、5年半ぶりにJリーグに戻り、昨季はフル稼働と代表復帰が期待されたが、度重なる怪我に見舞われ、J1出場7試合という悔しい結果に終わっている。
 
 特にダメージが大きかったのが、8月の天皇杯ベスト16・東京ヴェルディ戦での左ハムストリング肉離れ。結局、これでシーズンを棒に振る形になり、本人も失望感が大きかったに違いない。

「久しぶりに日本に帰って1年目で『うまくいかないな。まあそういうこともあるのかな』と割り切りつつ、『来年に少しでもつながることをやろう』と自分に言い聞かせ、時間を過ごしましたね。

 そこで取り組んだのが、身体の動き・使い方の見直し。『何か不具合があるから怪我が続くんだろう』と考えて、ずっと身体と向き合った。今は足の指を含めて、足と胴体をつなげるイメージで動けるようになってきました」とシュミットは前向きに言う。

 様々な試行錯誤を繰り返す彼に寄り添ってくれたのが、元日本代表の楢﨑正剛GKコーチだったという。

「ナラさんはあまり多くを提示してはこないんですけど、一緒にやっていてすごく安心感があるというか、『ナラさんが言ってることは間違いない』と心から思える。守られている感じがしました。リハビリ中にも『もう1回、代表を目ざそうよ』と言ってくれましたけど、本気でそれを考えて取り組むことが、ナラさんへの恩返しになると信じています。

 代表からは長く遠ざかってしまったし、失った3年はデカいですけど、2026年の北中米ワールドカップもJリーグで良いパフォーマンスをすれば、可能性は全然あると思っている。自分が積み上げたものもありますし、自信を持って今後につなげていければ、まだ先もある。そう考えて頑張りたいです」

 神妙な面持ちでこう語るシュミットは、かつて自身も様々な困難に直面しながら、W杯に4度参戦した大先輩への感謝を抱きつつ、今季を戦っていく構えだ。
 
 ミシャ監督はビルドアップを重視するため、シュミットのような足もとの技術に秀でた守護神を好むと見られる。まさに今季は、目の前に大きなチャンスが転がっている状態なのだ。

「ゴールキーパーがビルドアップに関わる練習というのは、今のところはあまりないですけど、試合になるとゴールキーパーのところでどれだけ相手を食いつかせられるかで、チーム全体が前進できるかどうかが変わってくる。そこはもっと実戦を重ねながら、みんなですり合わせていくことが大事だと思います。

 僕自身も出ていた時間帯は無失点で終われたのは何よりでしたけど、バタついたシーンもたくさんあった。ああいうのはいただけないので、内容を良くしていかないといけない。今はチームとしても発展途上なんで、失敗もたくさんあると思いますけど、最終的にチームとして成熟していけば、良い結果が訪れるはず。そう仕向けていきたいですね」
 
 晴れ晴れとした表情で力を込めたシュミット。彼がそこまで清々しい表情を見せるのは、本当に久しぶりだ。それだけ今は力強い一歩を踏み出せているという手応えを感じているのだろう。2026年を“シュミットの年”にすべく、彼には昨季の苦しみを糧に、一気に存在感を高めていってほしいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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配信元: SOCCER DIGEST Web

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