当事者からも不満が…
東京都在住のルリさん(37歳)は、2020年から3年間不妊治療を経験。保険適用になった22年に、ある変化を感じたという。
「私は2023年に妊娠するまで、保険適用外の時代、保険適用時代と両方を経験しました。何よりも困ったことは、保険適用になった22年から処方してもらえる薬の種類が減ったことです」
これに前出・川口氏はこう指摘する。
「たとえば、風邪に罹患すると、全国どの医療機関でも治療内容や処方してよい薬は国の規定で決められており、選択肢も限られています。それと同じように、不妊治療も保険適用時に、“この病名にはこの治療方法とする”と定められてしまったんです。
前述した“不妊治療の定義に当てはまらない方”には充分ですが、何か大きな原因があって子どもができない“不妊症”の方には正直効果が乏しい治療もあります。
患者の既往歴や、体質などで『本当は自費診療時代に使用していた保険適用外の薬の方が適しているな』と医師が感じても、保険診療の患者にはやむを得ず決められた薬を処方しているケースもあります。これでは、“必要な不妊治療”が必要な方に届けられていないと感じることもあります」
専門家が語る「効率的な不妊治療」の考え方
どうすれば、不妊治療を効率的に行なうことができるのか。川口氏は言う。
「なかなか成果が出ない方は、積極的に他のクリニックやセカンドオピニオンを求めるのもよいでしょう。子宮内膜症着床能検査(ERA/ERpeak)や子宮内細菌叢検査(EMMA/ALICE)などは、基本的には先進医療の認可を受けた医療機関でしか受けられず、これらの検査を受けて初めて不妊原因がわかる方も少なくありません。
不妊症の原因は一人ひとり異なります。ですから、本来オーダーメイドで行なう必要があり、限られた種類の薬の中からどれかを選んで投与すればうまくいくものではないんです。
クリニックも得意分野が異なります。よく調べ、合うクリニックを見つけ、助成金を有効に使って不妊治療を成功させてほしいです」

