「違法のハイヤーにひかれかけましたよ」
いっぽう、2024年度の国際線旅客数が2382万人を超え、大幅な増加を示している東京国際空港(羽田空港、TIAT)の状況はどうか。国際線が発着する第3ターミナルを訪れ、タクシー乗り場前のベンチに疲弊した顔で休憩する女性警備員に声をかけた。
一瞬迷惑そうな顔をしたが「違法ハイヤーのことで…」と言うと、ここぞとばかりに「この前、違法のハイヤーにひかれかけましたよ」とまくし立てた。
「タクシー乗り場の先の路肩に客引きハイヤーがズラッと待機してるんですよ。『ここに停めちゃダメ』と大きな声で注意すると、向こうも中国語で『ビーズイ!(黙れ)』と口答えするばかりか、目の前までギュンっと急発進して『どけ!』と言わんばかりに脅してきたこともあります。
運転手や客引きの人が何人かなんてわからないけど、中国語で怒鳴ってくることが多いように思うから、やはり中国系の方なんでしょうかね。かなり悪質です」
到着ロビーには、成田空港と同様にイヤフォンをつけてiPadを持った男性らがあちこちにおり、客引きの様子を車内で待機するハイヤー運転手とやりとりしている様子がうかがえる。数名に声をかけたが、舌打ちをして去るか無視をするなどかなり横柄な態度だった。
先ほどの女性警備員によると「昼間もいるけど夕方から夜になるとすごく増える」とのことで、確かに夕方は到着便も多く路肩に停めているハイヤーも多く見られた。
東京国際空港にも問い合わせると、成田と同様の見解を示した。
「到着ロビーには注意喚起の看板を設置しています。看板には客引き行為が禁止されていることを記載し、違法な声掛けを行う車両に乗車するとトラブルに巻き込まれる可能性があることを周知しております。客引き行為は外国人旅客に対して行われているため、旅客向けの注意喚起は英語・中国語のみにしております。
なお、客引き行為は、道路運送法違反にも絡むほか、カーブサイド(ターミナル前乗降場)の違法駐車や周辺道路混雑問題に直結していることから、監督官庁である国土交通省・ 関東運輸局、東京空港事務所、並びに東京空港警察署等と連携し、引き続き撲滅を目指して参ります」
東京国際空港は「ここ最近は関東運輸局や空港警察の取り締まりの効果もあり、確実に減ってきていると思われます」と話すが、現場の声を聞けば「注意はしているが、減りもしない」という状況であることは明らかだ。
中国のSNSには「事業用車両の緑ナンバーの車を貸し出す」という投稿も…
上海在住の観光ライターは言う。
「先日、こちらでも日本の空港で中国人による違法ハイヤー集団が多発しているというニュースをテレビで見ました。でも中国人の誰もが見るSNS『小紅書』とかTikTokから日本の空港でのタクシーが予約できちゃうからね。
観光客からしてみたら悪いことだなんて思ってない。むしろ中国語が話せるから便利だとすら思ってる。美味しい店や流行の店も教えてくれるとの謳い文句もあり、そりゃ使うでしょうという感じです」
また、このライターは『小紅書』で日本の事業用車両の緑ナンバーの車を貸し出す内容の投稿も見たという。
「去年のいつだったか、緑ナンバーの車を借りたい人は連絡くださいといった投稿を見ました。いま探してももう出てこないんですけど、確かに見ました」
昨年8月に国土交通省で開かれた会見では中野洋昌大臣もこの事態を把握しているとし、「(緑ナンバーの)名義貸しは道路運送法違反に当たる」としながら「事実関係をしっかり精査し厳正に対処していく」と述べていた。
危険な目に遭いながらも現場で必死に対応する職員と、撲滅を目指すという空港。この問題が解決される日はくるのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

