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【涙の送別会】サーカス団員が「去る覚悟」を決める瞬間とは / 木下サーカスの思い出:第18回

【涙の送別会】サーカス団員が「去る覚悟」を決める瞬間とは / 木下サーカスの思い出:第18回

・盛大な送別会

同じ釜の飯を食い、朝から晩まで共同生活を続けてきた仲間の旅立ち。サーカスの送別会は例外なく盛大である。

ほとんどの団員が集まり、会場のスクリーンには退団する団員のこれまでの活躍、同期や後輩からのメッセージなどが次々と映し出される。爆笑しながら見ていたはずなのに気づけば誰かが泣き出し……最終的にはほぼ全員泣いている。

本来なら笑顔で送り出してやらなければいけないところだが……音響照明を仕切る “舞台裏のアーティスト” こと中尾さんが、送別会の感動演出に異様なまでの情熱を注ぐのだ。おかげで送別会ムービー開始から数秒で号泣する団員も決して珍しくない。

これまで何人もの団員を見送ってきた。博士キャラの大先輩・保坂さんは鍼灸師になるため……

熱血鬼コーチ・高岡さんは特撮ヒーローを目指して退団した。

この場所で本気になれたから、外でも本気になれる……夢を語り、夢を叶えるのが当たり前の環境だからこそ、仲間に対して「挑戦してこい!」と言える。

後輩を叱り、支え、引っ張ってきた背中。「サーカスを去る」という選択が逃げでも挫折でもないことをその場にいる全員が理解していた。祭りは終わる。夢からはいつか覚める。それでも……サーカスで過ごした時間は、その後の人生をずっと照らし続ける。

・戻ってくる男

──その後、高岡さんは職を転々とする中で「自分が輝けたのは支えてくれる仲間がいたから」と気づき、7年後に木下サーカスに復帰した。

現在は、サーカスの大トリである空中ブランコで「ピエロのタッピー」として活躍している。メークの下に誰よりも熱いサーカス愛を秘めながら。

去る者もいれば、戻ってくる者もいる。それもまた、サーカスという世界なのだ。出会いと別れを何度もくり返しながら、夢を語り、夢を叶え、また次の街へ向かう。

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