
「攻撃を作り、つなぐのは好き」札幌復帰のレフティ福森晃斗が新境地を開拓「試行錯誤を繰り返してやっていければ」
2025年は1年でのJ1復帰を目ざしながら、12位という不本意な成績に終わった北海道コンサドーレ札幌。岩政大樹監督(現・東京学芸大監督)体制でスタートし、8月には柴田慎吾監督(現コーチ)が後を引き継いだが、最後まで昇格争いに参戦することはできなかった。
迎えた2026年。クラブは過去に愛媛FCやサガン鳥栖などで手腕を発揮した川井健太監督を招聘。今はチーム再建の真っ最中だ。
「昨年の主力だった2人(高嶺朋樹と近藤友喜)が抜けて、もちろん選手は取っていますが、そこの補強はしていない。今いる選手たちを育てるというのが第一のテーマになります。2月から始まるJ2・J3百年構想リーグでベースを作って、26-27シーズンにつなげていくことが一番。そこで優勝できたら万々歳ですね」と、1月25日の沖縄キャンプ最終日のガンバ大阪戦後、指揮官は先を見据えた。この日は格上のG大阪に1-4の敗戦を喫したが、それも含めて現状をポジティブに捉えているという。
新生・札幌にとって力強い存在と言えるのが、川井チルドレンの堀米勇輝と、堀米悠斗&福森晃斗の札幌復帰組だ。彼らはチームのレベルアップに貢献できる人材。とりわけ福森は、直近2年間在籍した横浜FCでJ1昇格とJ2降格を味わっただけに、貴重な経験値を還元してくれるはずだ。
「J1に上がるのは本当に簡単なことではないですし、僕もそれを経験しています。うまくいかない時間の方が試合中は多い。そこで重要なのが、川井監督の言っている『イレギュラーを楽しむ』こと。楽しめないと自分のプレーに目いっぱいになってしまう。自分たちの良さを出しつつ、ハーフシーズンの百年構想リーグで優勝を目ざすこと。それが昇格への第一歩だと思います」と、33歳のレフティは今の札幌に必要なマインドを強調した。
川井監督は目下、横浜FCで3バックの左を主戦場としていた福森を、ボランチで起用しようと試みている。
「福森に期待しているのは攻撃。あの左足は本当にスペシャルですし、今の4バックでそれを出せるのがボランチだと思います。我々はここから3枚に持っていくかもしれないし、そうなればまた3バックの左でもいいですけど、今はそこが最適かなと考えています」
指揮官の考えを福森自身もしっかりと受け止め、新たな役割に精力的にチャレンジしている。
「攻撃を作り、ボールをつなぐのは好きな仕事。ボールを受けることは怖くないですけど、今まで後ろでやっていたので、後ろから選手が来ることはなかった。でもボランチは360度どこからでも敵が来るので、首振りが大変だなと思います(笑)。
いろいろ予測しながら、頭の集中力を切らせないポジションなので、それも楽しみながらやってます。自分なりのボランチ像を作り上げていければいいですね」と、彼は笑顔をのぞかせた。
ただ“新人ボランチ”ということで、序列的には少し下からのスタートとなる。
「自分は新しいポジションに挑戦する側なので、そういう扱いも理解できる。本当に一日一日を無駄にせず、監督やコーチ、いろんな選手からも吸収しながら、試行錯誤を繰り返してやっていければいいと思います」と、本人は少しずつ地位を固めていく構えだ。
福森が中盤で長い時間プレーできるようになれば、札幌のサッカーに幅広い展開が加わるだろう。それと同時にリスタートからのゴール・アシスト増も期待できそうだ。
昨季の札幌は総得点50。うち10点を高嶺、5点を近藤が奪っていた。その2人を欠いた今、リスタートを研ぎ澄ませていくことは必要不可欠なテーマ。アマドゥ・バカヨコや大﨑玲央、家泉怜依、中村桐耶など今季の札幌には長身選手が少なくないため、福森のキックとうまくすり合わせていければ、数字も伸びていくはず。彼自身の直接FK弾も見られそうだ。
「横浜FCの1年目(2024年)は、セットプレーの重要性を改めて再認識させられたシーズンでした。当時は中に入る5~6人が『俺にボールをくれ』と要求する選手ばかりで、自分は彼らに100%の信頼を寄せていた。多少キックがズレても、みんなが合わせてくれたので、『自分のキックがチャンスになる』という印象につながったんだと思います。
札幌も中に入る選手はみんな点を取る能力がある。彼らにしっかり合わせていけるようにやるだけですね」と福森は唯一無二のストロングポイントを最大限に発揮して、チームに貢献していく覚悟だ。
札幌が入った百年構想リーグのEAST-Bでは、RB大宮アルディージャ、ジュビロ磐田などJ2の強豪クラブと同居。三浦知良加入の福島ユナイテッドFCもいて、福森は偉大な先人との再会を待ち望んでいるという。
「カズさんが横浜FCの宮崎キャンプに参加した時、顔見知りになりましたし、そのカズさんと試合ができるのはすごく楽しみ。自分が試合に出ないとそれは実現しないので、良い準備をして出番を勝ち取ることが先決。川井監督のサッカーを体現して、百年構想リーグで優勝できるように頑張ります」
古巣に戻り、目を輝かせる福森。彼の高い意欲が札幌の新たな起爆剤になれば、本当に理想的である。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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