☆新監督も期待
石田裕太郎と度会隆輝。ともに2002年生まれで、今シーズンはプロ3年目、そして年男を迎える期待の若手コンビだ。チームがリーグ優勝を目指すうえで、今季の飛躍が強く期待される存在である。
今季からベイスターズの指揮を執る相川亮二新監督も、この2人への期待を隠さない。
「彼らの能力の高さは、ここ数年で感じています。今までの力にプラスアルファをもたらす部分は、やはり若い力だと思っています。度会がレギュラーを取る、裕太郎がローテーションを回るくらいにならないと、本当の意味での戦力アップ、優勝は達成できないと思っている。そのくらい期待しています」
石田に対しては「10勝はしてもらわないと、優勝は厳しい」。度会には「人間性が素晴らしく、前向きな選手で、印象に残るプレーをする」と高く評価するなど、リーグVを目指すうえでのキーマンとして明確に位置づけていることが窺える。
25日に開催された「2026初春の集い」で登壇者に抜擢されたことからも、球団がこの若き2人に寄せる期待の大きさが伝わってくる。
☆石田の心意気
指揮官から二桁勝利を求められた石田は、その言葉を真正面から受け止めている。
「めちゃくちゃ嬉しかったです。僕の中で今年は勝負の年だと思っているので、その期待に応えられるように頑張りたいです」
そのための準備にも抜かりはない。「オフシーズンも結構バリバリ投げています」と明かし、「カットボールを練習している中で、まっすぐの握りを少し変えた部分もあります。それはまだデータやバッター目線で確認できていないので、キャンプで試していきたいですね。感覚はすごくいいので、早く実戦を迎えたい気持ちが強いです」と手応えを語る。
自主トレは静岡で実施。年下の投手4人とともに汗を流した。「僕が連れていったわけではなくて、みんな来ちゃったって感じなんですよ」と笑いながらも、後輩たちへの思いは熱い。
「一緒に来てくれた後輩たちには、僕ができる限りのアドバイスはしました。ほとんど育成の選手で、支配下は武田陸玖しかいなかったんですけど、みんな活躍することに貪欲で、貧欲の塊みたいな奴らしかいなかった。結構きつい練習をやったんですが、みんなが『もう1本やる』って言ったときには、僕もやらなきゃいけないなって思わされました。これから僕が大スターになったとしても、この気持ちは忘れちゃいけないなと改めて感じました」
若手から刺激を受け、己を見つめ直す。その姿勢こそが、石田の強さだ。
今季の目標も明確に掲げる。「規定投球回数は絶対です。また150、160とイニングを伸ばしていければ、それこそ10勝やタイトルにも近づいていくと思います」。ファン兼プレーヤーの自負とともに、エースへの道を、力強く進んでいく。
☆新設された賞を狙う度会
一方の度会は、ルーキーイヤーの鮮烈なデビューから、思うように成長曲線を描けていない現状を冷静に受け止めている。
「一番星になるって言ってましたが、いまは6番星くらいなんで…」
自嘲気味に語りながらも、その言葉の裏には、今季に懸ける強い覚悟がにじむ。
「本当に、相川監督の1年目のシーズン。優勝するのが大前提なんで」
フォア・ザ・チームを第一に掲げ、「その中で、僕の活躍で優勝に近づいたとか、僕の1打で勝てた試合が多ければ多いほど、チャンスはどんどん巡ってくると思います。個人の成績を取りに行くというよりも、優勝するためのチームの一員として貢献する。そのうえで、結果がついてくればいい」と、自身の戦い方を言葉にした。
「セールスポイントはバッティングなので、勝利に貢献できる一打を打てるように、しっかり準備してやっていきたいですね」と前を向く。
そして3年目の大きな目標として掲げたのが、「長嶋茂雄賞」だ。今年から新設された、打者にとっての“沢村賞”にあたるタイトルである。
「長嶋茂雄さんは誰もが知っている方。野球界を築いてきた、スーパースターにふさわしい選手だった印象があります。やっぱり野球をやっている以上、見ている人を魅了しないといけない」
さらに、こう続けた。
「小さい子どもが、度会の試合を見に来て、『度会みたいな選手になりたい』って言ってもらえるのが、僕らからしたら一番の幸せ。子どもの目標になれるような、そんな選手になれるように、しっかり準備したいです」
有言実行を胸に刻み、度会隆輝も歩みを止めない。
若き星たちが本格的な飛躍を遂げたとき、横浜の街に長く待ち続けた悲願が、確実に近づいてくる。
取材・文●萩原孝弘
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