大相撲の魅力を世界に伝えるべく催される「海外公演」。今年10月にはロンドンに遠征することになっているのだが、なにせ海外だけに、日本とは文化も習慣も感覚も物価も違う。当然ながら「予想外の事態」が発生しても驚けない。いや、しかし、力士にとって極めて重大なモノが「予想外」となれば、なんとも困ったことに…。(2025年9月20日配信)
10月15日から19日の日程で予定されている「大相撲ロンドン公演」。2013年のインドネシア・ジャカルタ巡業以来の海外興行だが、派遣予定の幕内力士たちの間では、不安の声が噴出している。相撲ライターが解説する。
「食事が口に合わなくて痩せてしまわないか、心配しています。というのも、昨年末に八角理事長ら御一行がロンドンに顔見世と下見を兼ねた視察を行っているのですが、そこで直面したのが食事問題でした。主食がパンなのはもちろん、ホテルの朝食会場で出てくるのは塩辛いウインナーやスクランブルエッグばかり。同行した北の若ら力士たちは、とにかく食事に辟易していたようで、自由時間に『丸亀製麺』に行って『憂さ晴らし』をしていたほど。中サイズのかけうどんで1000円超の物価には、非常に驚かされたそうですが」
巡業スケジュールによっては、中抜けして日本食チェーン店に繰り出す時間など取れないかもしれない。もっとも、地場の飲食店に繰り出す場合は、さらなる注意が必要不可欠。例えば日本人の主食である「米飯」を注文しても、イメージ通りの料理が提供されるとは限らないからだ。
「ある日の夕食会場を、八角理事長がセレクトしました。予約の段階でカレーライスを注文していたのですが、提供されたのは『欧風』なのに、タイ米が使用されていた。当たり前のようにジャポニカ米を食べられると期待した力士たちは、たいそうガッカリしたそうで…」(前出・相撲ライター)
力士にとって、食事は死活問題。前年の失敗が本番に生きることを祈る。

