近年、注目を集めている退職代行サービス。ブラック企業から離れる一手として利用者が増えていますが、実際にはどのような企業を退職する際に利用されているのでしょうか?
今回は、退職代行利用実績データ開示サービス「MOMURI+(モームリプラス)」の協力のもと、実際に退職代行依頼のあった製造会社のケースを紹介。その内容をもとに、企業が取り組む上でのポイントについて、人と組織に関する調査研究・組織人材開発をしている人材系シンクタンクで活躍する渡邉規和さんにコメントをいただきました。
利用者のプロフィール
氏名、久美(仮名)
性別、女性
当時の年齢、20代
退職した時期、2024年
当時の企業の業種、製造業
当時の企業での職種、製造職
当時の企業が退職代行を利用された回数、68回
夜勤を半ば押しつけられてプライベートがゼロに
久美さんが勤めていたのは某メーカー。オペレーターとして採用され、製造現場で働いていました。
自ら希望した会社だったこともあり、入社直後は何事もなく普通に働いていた久美さん。ですが、入社からしばらく経ったときに社内の体制変更などさまざまな事情が重なり、勤務体系が大きく変わってしまいます。
「その会社の勤務体系はシフト制で、それまではみんなで昼勤・夜勤をある程度均等に担当していたんです。でも、何度かの社内体制の変更で、人がごっそり入れ替わって、昼勤しかやらない人が一気に増えたんです」
そのしわよせが来てしまい、久美さんはある日を境にずっと夜勤担当になってしまいます。「夜はお店もぜんぶ閉まっているので、プライベートがゼロになってしまいました……」と当時を振り返ります。

