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元Jリーガーが僧侶に!? 異色のキャリアを通じて伝えたいこと

元Jリーガーが僧侶に!? 異色のキャリアを通じて伝えたいこと

林入寺の境内でサッカーと仏教が交わるイベントを企画

静岡県内4クラブのチームカラーの風鈴。必勝祈願の祈りを捧げる

2年前から林入寺の副住職となった五藤さん。これまでのキャリアを活かし、お寺でサッカーを絡めたイベントなどを企画している。その1つが5月末に行われる「風鈴祭り」だ。

県内にある4つのサッカークラブのカラーに彩色された200個の風鈴を境内に飾り付ける圧巻の催し。普段の試合ではライバル同士のクラブだが、この日、風鈴は仲良く同じ音色を奏でながら訪れる人々を見守っていた。

境内に並べられた風鈴。手前にジュビロのサックスブルー。奥にエスパルスのオレンジがたなびく

「今自分がいる世界とサッカー界どちらにも貢献したいという思いが私にはあります。そのためにも、『林入寺に多くの人が来てほしい』し『大好きなサッカーに何かしらの形で恩返しがしたい』、その二つの思いが形になったのがこのイベントです。1日限定で吊るしている200個の風鈴は住職と一緒に2か月くらいかけて塗りました。初開催の年は、ジュビロと島田市がホームタウンの藤枝MYFCの色だけを吊るしていましたが、エスパルスとアスルクラロ沼津のサポーターから『なんでうちはないの?』と言われたので全部のチームの色を飾ることにしました(笑)。風鈴祭りの時には4チームの必勝祈願の祈祷も行って、静岡サッカーを応援しています」

人を引き付ける異色のキャリアを通して、今子どもたちに伝えたいこと

祈りを捧げる五藤さん

「現役の時よりも取材は今の方が多いです」

元Jリーガーの僧侶。近所のお寺に行けば、元プロの選手がボールを一緒に蹴ってくれる。その話を聞きつけ、ボールを持ってお寺に来る小学生も多くいるという。

「境内で練習してあげることはよくあります。そうした子どもたちに、私がしてきた練習や歩んできたキャリアを伝えることで、ぜひ糧にしてほしいと思っています。成功したサッカー選手の話はテレビやネットでいくらでも見られると思いますが、成功できなかった選手の話はなかなか聞けないですよね。苦しい経験をした先に今があるからこそ、伝えてあげられることがたくさんあると思っています」

異色の経歴だからこそ、興味を持ってもらいやすい。そしてそれは、仏教の世界の入り口にもなっているという。

「僧侶の世界とは無縁な世界で育ちましたので、仏教になじみがない私にとって、説法は難しいのではないかな?と思うときがよくあります。それにサッカーの世界なら30代はベテランですが、仏教の世界ではペーペーもいいところです。年齢を重ねた僧侶が発せられるお言葉なら難しくても聞こうとなるかもしれませんが、私くらいの人間がいくらありがたいお話をしてもまだまだ深みは生まれません。ですから、私はお檀家さんらにお話をするとき、自分の経験談を交えながら私にしかできないお話をするようにしています。そうすることで興味を持って耳を傾けていただけます。これからも自分のこれまでの経歴を活かし、禅の世界、サッカー界どちらにも貢献していきたいです」

僧侶という立場は説法など、人に何かを伝える機会が多い。俗世とは離れた場所で自らのキャリアも俯瞰する人が、プロの世界での挫折経験を子どもたちに伝えられることは貴重だと感じた。たとえ直接つながりのないキャリアであっても、スポーツでの経験は活きていくのだと五藤さんの姿に改めて教えられた。

text by Taro Nashida(Parasapo Lab)
写真提供:五藤晴貴

配信元: パラサポWEB

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