MotoGPの日本GPで2位に入り、2025年のMotoGP王者獲得を決めたドゥカティのマルク・マルケス。6年ぶりにチャンピオンに輝いたこのマルケスの今季の道のりを、ドゥカティのゼネラルマネージャーを務めるジジ・ダッリーニャが賞賛した。
ドゥカティは今季のフランチェスコ・バニャイヤのチームメイトに、2024年のチャンピオンとなったホルヘ・マルティンではなく、マルク・マルケスを選んだ。この決断については疑問の声も挙がったが、開幕戦タイGPで早速払拭されることになった。
マルケスはこのタイGPで、いきなりスプリントと決勝のいずれも制するダブル優勝を達成。結局マルケスは、日本GPまでの間に10回のダブルを達成。圧倒的な強さで、5戦を残して今季のチャンピオン獲得を決めた。
マルケスに賭けるという決断は、ドゥカティCEOのクラウディオ・ドメニカリと、社内でドメニカリと同等の影響力を持つダッリーニャとの協議を経て下された。
この決断には、いくつかの要素が考慮されたとされる。その中でもっとも重要な要素はスピードだった。そしてその点においては、1年型落ちのバイクで走った2024年シーズンのデータは、彼にとって有利に働いたはずだ。
ただダッリーニャは日本GPの決勝レース後、マルケスの本能的なスピード以上に、その資質を賞賛した。
「マルクを表現する形容詞さえ見つからない。彼は信じられないほどのことを成し遂げた。再び世界チャンピオンになるための道筋を明確に描き上げたことは特筆に値する。スピードとライディングよりも、その点の方が賞賛に値すると思う」
ダッリーニャはmotorsport.comに対してそう語った。
「再び勝利するために、彼ほど犠牲を払ったアスリートは歴史上そう多くはないと思う」
ダッリーニャはこれまで、ホルヘ・ロレンソやバニャイヤといったチャンピオンたちと仕事をしてきた。その中でマルケスについてはその謙虚さ、特にミスを認めることができるという謙虚さが優れていると語った。
「マルクのように多くの勝利とトロフィーを獲得してきた人物にとって、それほど成功しておらず、まだ証明すべきことがたくさんある者よりも、ミスを認めるのは容易なことだろう」
そう語る一方でダッリーニャは、ここ最近は大いに苦労していたバニャイヤが、復活を告げる”ダブル優勝”を成し遂げたことに安堵した。
「レースでワンツーフィニッシュを達成し、チャンピオンシップを獲得する勝利を収め、ペッコ(バニャイヤ)の巻き返しを助けることができた」
ダッリーニャはバニャイヤ復活の詳細については語らなかった。しかし昨年のマシンの要素を今季マシンに再投入したことで、バニャイヤは感覚を取り戻したのではないかと見る向きもある。
「何が起きたのかを説明することは、重要ではない。本当に重要なのは、ペッコが速かったこと、ポールポジションを獲得し、スプリントを勝ち、そしてレースでも優勝したことだ」
バニャイヤ復活のために、もっと早く何らかの手を打つことができたのではないかと尋ねられると、ダッリーニャは次のように語り、そのためのプロセスが大事だったと強調した。
「ペッコをもっと早く助けることができなかったわけではない。ただ、どうすればいいのかを理解する必要があった」
「どうすればいいのかを知るには、時には全ての過程を経験する必要がある。経験しなければ、解決策に辿り着くことはできない」

