(写真は記事内容を表現したイメージです。画像生成AI「gemini pro」を利用して作成しました)23日放送の『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ)での放送内容が「育児放棄」「ヤングケアラー」と物議を醸しています。その内容を振り返りつつ、専門家の見解を交えて考えます。
■「友達と遊べるのが羨ましい」放送では、小学6年生の少年から寄せられた「6人兄妹の長男を代わって」との依頼を叶えるため、お笑いコンビ・霜降り明星のせいやさんが手伝いに行った様子が流れました。
小学6年生で6人兄妹の長男は、共働きの両親に代わり10歳、8歳、5歳、2歳、0歳の弟や妹のお世話をしている日常。食事・掃除・洗濯・おむつ交換…と日々やることに溢れ、同級生を遊べるのは多くても週に2日程度。「友達と遊べるのが羨ましい」「友達とパーティーとかバスケがしたい」と願いを口にする一幕も。
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■せいや「大人になるなよ!」そして1日“長男”を務めたせいやさんは別れ際に、真剣な表情で「お前はまだ小学生や! まだ大人になるなよ!」と抱きしめ、長男も笑顔で頷きましたが、せいやさんが扉を占めると、母親が長男に「米炊いて!7合!」と呼びかける声が響きました。
放送直後からSNSでは「長男が可哀想で涙が出てくる」「しっかりしてる子だから、忘れかけてたけど小6だよ? あまりに不憫」「これって…ネグレクトじゃないの?」「法律的にダメじゃない?」と長男への同情と、両親への怒りの声が相次ぐ事態になり「ヤングケアラー」というワードがSNSで拡散されました。
※TVerでも配信していましたが、25日に公式サイトは「取材対象者個人に対する強い批判や誹謗中傷が広がっている状況を重く受け止めています」と配信休止を発表。また、26日には番組内に「演出」もあったと説明しています。
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■法的に問題は?実際に小学6年生の子供が、ほぼ毎日、弟や妹の面倒を見なくてはいけない状況は法的にどうなのか…。齋藤健博弁護士に伺いました。

齋藤:ヤングケアラーの問題は、単なる「育児放棄(ネグレクト)」というより、「親が自分の責任を子供に肩代わりさせている状態」だと言えます。法的には、子供を育てる責任(監護権)は親にあります。
しかし今回のケースのように、共働きで忙しいなどの事情があるにせよ「上の子が下の子を世話するのは当たり前」として、子供が担う負担に依存し、親が本来果たすべき責任の行使にあぐらをかいてしまっている状態にあると考えられます。
子供は本来、面倒を見てもらう側であり、自分を犠牲にして誰かの面倒を見る立場にはありません。家で勉強したり、友達と遊んだりする時間を削ってまで家事や育児を担わされているのであれば、それは子供が本来持っているはずの権利が損なわれていると考えられます。
――このような環境にいる子供の存在を知ったとき…社会は、どんな手を差し伸べられるのでしょうか。また、同じようなことで悩んでいる子供は、どこに相談すればいいのでしょうか。
齋藤:学童保育などの福祉サービスを充実させ、家庭内の負担を減らす仕組みを作ることが重要です。
もし、今同じような環境で悩んでいる子供がいるなら、まずは勇気を持ってSOSを発信してほしいと思います。学校の先生でも、信頼できる大人でも、SNSを通じてでも構いません。「自分にも勉強し、休み、遊ぶ権利がある」という立場にあることは、忘れてはいけません。
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せいやさんが叫んだ「まだ大人になるなよ!」という言葉。それが「感動のシーン」で終わるのではなく、彼のような子供たちが「ただの小学生」に戻れる時間を、社会全体の仕組みとして支えていける世の中になることを願います。
【弁護士】 齋藤健博
自身のLINEIDを公開しており、初回相談はLINEで無料で行うことが可能な弁護士。セクハラや、浮気・不倫問題の解決に定評があり、過去には弁護士ドットコムのランキングトップに名を連ねた経験も。YouTubeではセクハラ時の対応に関する動画なども公開している。多くの被害者の悩みである「セクハラの線引き」や、「残すべき証拠」などを動画で分かりやすく伝えている。
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【筆者】長谷川 瞳
10年以上の放送作家の後ウェブの世界へ。多くのインタビュー経験を経てエンタメや社会問題の記事を書く日々。ストレス解消法は、愛犬(ポメラニアン)に顔をうずめること。
(取材・文/Sirabee 編集部・長谷川 瞳)