英国プレミアリーグの超一流選手たちからもオファーが殺到する治療家・木谷将志氏。プレミアリーグでデビッド・ベッカム氏に次ぐフリーキック歴代2位の記録を持つジェームズ・ウォード=プラウズ選手も、木谷氏から身体のケアを受けているという。
世界最高峰のアスリートたちが実践する「身体を思いどおりに動かす」ための秘訣とは。『世界が認めた神リカバリー』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成し、運動神経が良いとはつまりどういう意味かも含めて解説する。
理想は随意運動を思うままに
〝緩む〟と〝縮む〟が思いどおりにできること。
それは「全身のどこでも、頭で思い描いたとおりに動かせる」状態に近づいているとも言えるだろう。
そして、それこそがプロアスリートたちがみな目指している理想の状態でもある。
たとえばゴルフを想像してみてほしい。
ボールが止まっているのだから、誰だって自分の思ったとおりに身体を動かせれば、上手にプレーできるはずだろう。
しかし実際には私たちの多くが、思ったとおりにボールにクラブを当てることはできないし、思ったとおりにボールを飛ばすこともできない。
一方で、「1ミリ単位のパフォーマンスの差で勝つか負けるか決まる」というシビアな世界でしのぎを削っている一流プロゴルファーの多くは、イメージどおりのフォームで、イメージどおりにボールを飛ばし、イメージどおりの飛距離を出すことができている。
それは、自身の身体を思いどおりに動かせているからだ。
専門用語で表現すると、これは「随意運動」が思うようにできている状態と言える。随意運動とは、脳から筋肉に指令を出し、筋肉を自分で動かす運動を指す。
その反対語は不随意運動といい、筋肉が勝手に動く運動を言う。たとえば熱湯に触ったとき、「熱い!」と咄嗟に手を引っ込めるだろう。
あの動作は頭で考えているわけではないので「不随意運動(反射)」だ。自分で考えるよりも先に身体が動いている。
「運動神経が良い」とは随意運動の精度と速度が並外れていること
一方で、車でドライブしているときに、危険を察知して急ブレーキを踏む動作は「随意運動(反応)」である。
「危ないかも」「ブレーキを踏まなきゃ」「左足を動かせ」といった神経伝達の流れで意識して行う運動である。
一般的に、アスリートなど「運動神経が良い」とされる人は、こちらの随意運動の精度と速度が並外れている。
それだけでも、人体としては素晴らしい状態なのだが、世界最高峰のプレミアリーグや欧州の5大リーグと呼ばれるプロサッカーリーグで活躍を続けるためには、随意運動のレベルをさらに1段階、2段階引き上げなければならない。
そのためには、〝緩む〟と〝縮む〟が思いどおりにできる身体づくりが欠かせない。
これは決してアスリート限定の話ではなく、皆さんもすぐに体感できることだろう。
「筋肉を縮める」と、身体に与えられたダメージや疲労をゼロに戻すのみならず、「前よりもむしろ調子が良くなった」、そんな地点さえ目指すことができる。
アスリートにとっては「随意運動の精度も上げられる」一石二鳥の効果が見込まれるし、私たちにとっては「昨日より調子がいい」感覚を得られるのだ。
だから私は吉田麻也選手をはじめ、すべてのクライアントに「随意運動が誰よりもできる筋肉」をまとってほしいと思いながら、「縮める」治療に向き合っている。
筋肉の収縮を取り入れることによって、アスリートとしての身体能力に磨きがかかったケースはたくさんある。
ここでは、ジェームズ・ウォード=プラウズ選手の特徴を少しお話ししよう。
プラウシー(彼の愛称)は1994年生まれのイングランド人で、本書執筆時点では「ウェストハム・ユナイテッド」という古豪に所属している。
彼の直接フリーキックのゴール数は、サッカー発祥の国イギリスのプレミアリーグで歴代2位。
歴代1位のデビッド・ベッカム氏の記録数まで「あと1つ」に迫っているキックの名手である。

