先日、元NBA選手のケビン・ガーネットはポッドキャスト番組で、「レブロン・ジェームズがオールスターの伝統を壊した」と主張。レジェンドの発言に対し、多くの賛否の声が寄せられた。これについて、レブロンの同期で、昨年殿堂入りしたカーメロ・アンソニーが自身の見解を示した。
ガーネットが言及したのは2012年にオーランドで開催されたオールスターゲーム。勝負所でイーストのレブロンがウエストのコビー・ブライアントとの1対1に応じなかったことが、球宴の衰退の始まりだったと指摘した。
現役時代にオールスターに10度選ばれたカーメロは、自身のポッドキャスト『7PM in Brooklyn』の最新回で、ガーネットの発言の背景を説明した。
「彼がそう言ったのは、当時のオールスターの価値観がそうだったからだ。スターが大舞台で応える――それがオールスターだった。そして今は、“スターの中のスター”が応える時代になった。みんながそれを求めているとわかっているからこそ、応えなきゃいけない、という空気があったんだ」
カーメロ曰く、NBAのオールスターゲームには、プロレスの試合のような“暗黙の台本”があるという。それは、第3クォーターまではプレーを楽しみ、第4クォーターにスイッチを入れ、ファンに真剣勝負を見せるものだ。
12年の球宴は最後までもつれ、レブロンにはチームを勝利に導くチャンスが与えられていた。イーストが2点を追う第4クォーター最終盤、マッチアップ相手のコビーも、「俺と1対1で勝負して試合を決めろ」とレブロンを挑発し、この日最大の見せ場を迎えた。
しかし、レブロンはコビーとの勝負に1度ではなく2度も応じなかった。1度目はデロン・ウィリアムズにパスを出したものの、逆転を狙った3ポイントはエアボールに。それでもドゥエイン・ウェイドがリバウンドを拾い、再びボールはレブロンへ渡った。
だが、2度目もレブロンはパスを選択。ウェイドへのパスはブレイク・グリフィンにあえなくカットされ、152-149でウエストが勝利した。試合終了後、自身との勝負を避けたレブロンに対し、コビーは「シュートしろよ」と不満を訴えていた。
当時、イーストのメンバーとして出場していたカーメロは、次のように振り返る。
「あの時、彼(レブロン)が勝負をしなかったことで、みんなの見方が変わった。『ああ、そうか。じゃあもういい』ってね。そこから“俺たちは俺たちのやり方でやる”って流れになった。
『ブロンがオールスターをダメにした』『ブロンがダンクコンテストをダメにした。だって出ないから』『3ポイントコンテストもブロンのせいだ』……結局、彼はすべての責任を押しつけられることになるんだ」 カーメロは、12年の出来事がオールスターの転換点だったことには同意しつつも、衰退の原因はほかにもあると指摘。ステフィン・カリーの登場で、リーグが“3ポイント時代”へ突入したことも大きな要因だという。
「バスケそのものが変わったんだ。プレースタイルが年々シフトしていって、誰もオールスター・ウィークエンドをコントロールできなくなった。すべてがあらぬ方向に進み始めたんだ」
最後にカーメロは、レブロンに“伝説的な瞬間”を生む機会があったことを認めつつも、彼は自分のスタイルを貫いただけと擁護した。
「ファンは“決定的な瞬間”を期待する。でも問題は、それが彼のプレースタイルじゃないことだ。俺たちはそれを求めるけど、それは彼らしさとは違うんだ」
構成●ダンクシュート編集部
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