
本記事では、TVアニメ「桃源暗鬼」(ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第二十一話をプレイバック。無陀野無人(CV:神谷浩史)は二十部隊の隊長・桃華月詠(CV:浅沼晋太郎)と一騎打ちに。両者一歩も譲らない見応えのある戦いに視聴者から興奮の声が上がった。(以降、ネタバレが含まれます)

■無陀野、タロットカードを用いた月詠の戦術に苦戦?
練馬区を管轄する二十部隊の隊長・月詠と一騎打ちをすることになった無陀野。占いを絶対視する月詠は、タロットカードを使ってカードに準じた能力を操る。「ソードの8」「戦車」などのカードで攻撃を畳み掛けてくる月詠に、無陀野は防戦一方を強いられるのだった。
これには無陀野の“伝説”を知っていた月詠も拍子抜け。「聞いてたほどは強くないね」と嘲るが、その最中に突如吐血する。実は無陀野は目に見えないほど細かな血の雨を降らせており、月詠は知らぬ間に体にダメージを受けていたのだ。現役時代、桃太郎100人を1人で倒したと言われている無陀野がたった1人にみすみす倒されるわけもなかった。
ここで運が尽きたかのように逆位置のカードばかりを引き、自らの攻撃で怪我を負う月詠。それでも神をも振り向かせようとする気概で、苦痛からの解放を意味する「悪魔」の逆位置と無類の攻撃力を誇る「力」の正位置を引いてみせるが、その攻撃は自らラッキーアイテムとして持ち込んだボウリングの球によって防がれてしまう。
そして無陀野はここまで溜め込んだ血で巨人・淤加美神(おかみのかみ)を出現させる。さらに無陀野が「深淵之水闇(ふかつちのみずやみ)」と告げた途端、淤加美神が咆哮と同時に血の波を発生させ、月詠は一瞬にして飲みこまれた。

■無陀野が唾切にトドメを刺した理由が明らかに
「無陀野先生が押されているかと思いきや…!という展開で激アツ」「無陀野先生と月詠のバトルがかっこよくてアニメで一番好きな回だったかも」「作画や声優さん方の演技に圧倒されて25分間ずっと魅入っていました」「ほんっっとに強い人同士が戦うからとてもおもしろかった」と視聴者を大興奮させた無陀野と月詠の戦い。
さらに注目されたのは、その後のやりとりだ。戦闘不能になった月詠は死を覚悟するが、無陀野は「殺さないさ、目的じゃない」と告げる。第十九話で一ノ瀬四季(CV:浦 和希)たちに語ったように、無陀野が桃太郎と戦う目的は話し合いの場を作ること。
しかし、月詠曰く京都で一ノ瀬に敗れた桃宮唾切の直接的な死因は、無陀野に心臓を刺されたことによるものだった。なぜ、むやみな殺生を避ける無陀野が唾切だけは殺したのか。
それは一ノ瀬の手を汚さないため。唾切は一ノ瀬との戦いで致命傷を負っており、無陀野がトドメを刺さずともそのまま死ぬはずだった。けれど、無陀野は一ノ瀬が桃太郎を殺したという記録を作りたくなかったのだろう。そんな無陀野の行動を「甘い優しさ」としながらも「僕は意外と嫌いじゃない」と告げた月詠。
その場を立ち去った後、無陀野は心の中で「未熟ゆえの殺生はさせない。生かすか、殺すかの取捨選択が自分の意志でできるようにならないと。それを教えるのも俺の仕事だからな」と語る。無陀野の教育哲学、そしてそこに共感を示す月詠とのやりとりに、視聴者からは「生半可に手を汚させない無陀野先生優しい」「教え子への愛を感じます。こんな先生に出会いたかった」「無陀野先生の生徒を思う優しさ。それに気づいてる月詠。激しい闘いの後に胸も温かくなる最高の回でした」という声が上がった。

■皇后崎vs深夜の行方は……
矢颪碇(CV:坂田将吾)との戦いに敗れた桃角桜介(CV:小野友樹)は仲間の隊員たちに助け出される。ボロボロになってもなお、鬼と戦おうとする桜介に「俺たちは隊長と副隊長に憧れてんすよ!雑な死に方はしないでください!」と声をかける隊員たち。
そんな風に隊員から慕われる鬼もいれば、誰にも助けられない鬼もいる。その頃、桃巌深夜(CV:沢城千春)は後を追ってきた皇后崎 迅(CV:西山宏太朗)に逃げ場のないところまで追い詰められていた。「俺を殺すのかよ」という深夜の問いに、皇后崎は「殺す」「お前は人を巻き込みすぎた」と答える。市民を守るという正義の下で鬼を狩るならまだしも、己の出世のためだけに何の罪もない子供まで巻き込んだ深夜。
しかし、本人は悪びれもなく「知らねー奴が死のうが、どうなろうが、知ったこっちゃねえんだよ。俺が偉くなるためなら何だってやるし、それ以外はどうでもいい」と吐き捨てる。そんな深夜を軽蔑しながらも、皇后崎は父親に復讐することしか頭になかったかつての自分を彼の中に見た。四季の仲間を大切にする姿勢に触れ、心に変化が現れた今だからこそ、その醜悪さがよく分かるのだろう。
皇后崎は深夜を始末することを決意し、「大っ嫌いだよ、てめえみてえな奴は」と告げる。だが、ここまでの深夜の挑発的な態度は全て作戦だった。皇后崎が深夜に歩み寄った瞬間、何かのスイッチが起動し、部屋が爆発する。皇后崎の安否が不明なまま、第二十一話は幕を閉じた。
◆文/苫とり子


