
【バイタルエリアの仕事人】vol.60 渡邉新太|主将ながら契約満了→初J1の立役者に「反骨心は常にある。なくなったら終わり」「自分への期待も込めて70点」
攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第60回は、水戸ホーリーホックで2年目のシーズンを迎えるFW渡邉新太だ。
新潟県出身で現在30歳の渡邉は、2024年に大分トリニータでキャプテンながら契約満了となり、翌年に水戸に加入。すると、新エースとしてリーグ戦31試合で13ゴール7アシストをマークし、クラブのJ2初制覇ならびにJ1初昇格に大きく貢献した。
ただ、シーズンをフルで戦い抜くことは叶わなかった。9月20日の第29節で右膝内側側副靭帯損傷を負ってしまったのだ。そのままシーズンを終える可能性も十分にあったが、古巣大分との最終節で82分から出場し、歓喜の瞬間をピッチ上で味わった。
それから約2か月。秋春制への移行が迫るなか、半年間という異例の短縮シーズンに臨む前に、現在のコンディションや、歴史的な2025年について語ってもらった。
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自分のコンディション的には、怪我もなくしっかりやれています。
昨シーズンに内側を怪我して、最終節はまだ完治していないギリギリの状態で出たので、完璧な状態でシーズンインはできませんでした。ですが、練習もフルメニューをしっかりこなして、練習試合もしっかり出ています。コンディションはどんどん上がってきている感じです。
昨シーズンを振り返ると、大分で契約満了になって水戸に来たので、悔しい思いをしたなかで優勝、昇格できたのは嬉しかったです。ただ嬉しいだけじゃなくて、色んな感情がこみ上げてきましたし、本当に濃い1年だったかなと思います。
契約満了で味わった悔しさがプラスに働きました。僕自身ずっとエリートで来ているわけじゃないので、常にそういう悔しい思いはあります。反骨心は自分の中に常にあるし、そういう気持ちがなくなったら選手としても終わりだと思っています。それがプラスに働いて、怪我をしてしまいましたけど、全体的には良かったと思います。
点数を付けるとしたら70点ぐらいです。シーズンを通してフォワードでずっと出たら、二桁得点を取れる自信はずっとありました。怪我をしなかったらもう少し取れたと感じるし、もっと決められる部分も、もちろんありました。まだまだ伸びしろがあるという自分への期待も込めて70点ぐらいかなと思います。
「二桁得点」自体はあまり気にしてないですけど、二桁に乗ると区切りが良いからメディアなどでは取り上げられやすいですよね。フォワードでシーズンを通して出ているんだったら、やっぱり二桁に行きたい思いはあります。
負傷から2か月と少しが経った11月29日の最終節、82分からピッチへ――。この時を待ちわびていたサポーターから大歓声が起こった。
当初の予定よりも早く復帰し、優勝と昇格が懸かる大一番に何とか間に合わせた渡邉は、まず右膝内側側副靭帯を損傷してしまった瞬間から、こう振り返った。
――◆――◆――
大分にいた2023年に左足の内側を怪我していて、今回右足が伸びた時にその時と同じ完全に緩くなっている感覚がありました。「ちょっとやばいな」と。痛くはなかったです。緩さだけがありました。
アドレナリンもあったので、少しテーピングを巻いてプレーを続けましたが、以前の左足のこともあったから全然集中できなくて、前半で交代のバツサインを出しました。
その日はそんなに痛くなかったんですけど、次の日からどんどん痛くなってきました。損傷の程度は「3度」だと手術なところ「2度」で、「復帰まで3か月」と聞いた時は「あぁ…」ってなりましたし、チームとしてすごく大事な時期だったので、そこで抜けてしまうのは悔しかったです。
リハビリ期間中、チームを外から見ていて…シーズンを通して圧倒的に勝つ感じではなかったですけど、本当に手堅く、水戸らしい戦い方をしていました。上位との戦いで勝点を落としてしまった試合はありましたけど、下位からこぼさず取れていたからこそ、ああいう結果を掴めたんだと思います。ヒヤヒヤする場面もありましたけど、そこは安心して見れました。
復帰した際はすごい歓声を感じました。みんなも自分自身もピッチに立つことを待ち続けていたので、あの瞬間は本当に良かったです。2点差で少し余裕がある状態で出させてもらったので、思いっきりできました。出させてもらって感謝という感じでしたね。
最終節まで昇格争いがもつれたなかで、僕は最初ベンチにいたので千葉が先制したとも聞いていました。自分たちが0-0ならプレーオフに回る状態だったので、最後まで本当にヒヤヒヤしました。終わった瞬間は、嬉しい感情はもちろんありましたけど、古巣の大分が相手ということもあって、色んな感情がこみ上げてきました。徐々に優勝、昇格を実感できました。
※後編に続く。次回は1月30日に公開予定です。
取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)
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