新党「中道改革連合」の斉藤鉄夫共同代表(前公明党代表)が「公明隠し」の選挙戦を展開している。衆院選公示日の1月27日に大阪府堺市で遊説した際、公明党出身の比例近畿ブロックの候補者が隣にいるにもかかわらず、なぜかその人物の名前に言及することはなかった。代わりにこう訴えたのである。
「この人の名前は『中道です』。どうか『中道』にお力をお貸しいただきたい」
斉藤氏は記者団に、「中道」を連呼した異様な訴えの理由を説明。
「結党したばかりで、党の理念や名前が浸透していない」
そうかもしれないが、実は別の側面もある。全国11ブロック全ての比例名簿1位に公明党出身者が掲載されるなど、優遇されていることへの不満が旧立憲民主党内にたまっていることに配慮したとみられるのだ。
新党結成にあたり、公明党出身者は前職がいた4つの小選挙区から撤退し、全員が比例単独で出馬した。公示日まで比例順位は明らかにされてこなかったが、フタを開けてみると、公明党出身者28人が上位で優遇されていた。
前回2024年の衆院選で、公明党は32から24へと大幅に議席を減らした。おそらく今回の28人は全員当選するとみられており、その場合、旧公明の議席は4増となる。ある立憲民主党出身者は、
「予想されていたこととはいえ、力が入らない」
と力なく漏らすのだった。
「名前は中道です」の連呼だけで、立憲出身者の理解を得られるのだろうか。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)

