現地時間1月27日、ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズがホストを務めるポッドキャスト番組『Mind the Game』の最新エピソードが公開された。
最新回ではインディアナ・ペイサーズのタイリース・ハリバートンが出演。アキレス腱断裂後のリハビリの状況や、2024年夏に共演したパリオリンピックのエピソードなどが語られた。
そんななか、番組内でレブロンは時代ごとに移り変わるバスケットボールのプレースタイルについて言及。現代NBAのスタイルでレギュラーシーズン82試合にフル出場することの難しさをこう語っていた。
「1980年代や90年代に82試合をプレーするのと、2020年代に82試合をプレーするのとでは全く違うんだと、みんなにもファンにも理解してもらいたい。全く違うんだ。俺たちのプレースタイルやペース、スピードのレベルが、今では全く違うものになっている」
レブロンがNBA入りしたのは2003年で、今季でリーグ歴代最長のキャリア23シーズン目。もちろん1990年代以前のNBAを経験したわけではないが、当時と現在ではゲームの環境が大きく異なっているという。
レギュレーションの48分間(12分×4クォーター)におけるポゼッション数を指すペースだけを見れば、今季は1980年代中盤までのハイペースと90年代のスローペースの中間あたりに位置するのだが、3ポイント試投数の増加によってコート上での選手の動きは大きく変わった。
今季の1チームあたりの平均3ポイント試投数は、27日時点で37.0本。1980年代の最多が6.6本で、90年代でも最多は16.8本(1996-97シーズン/リーグが3ポイントラインを短縮していたシーズン)だったことから、今と比較すると半数以下でしかない。
ペイントエリアへ陣取り、激しい肉弾戦が展開されていた1980、90年代とは異なり、現代ではフロアのスペースを最大限に活用し、多くの選手たちが3ポイントラインまで広がるため、移動量に大きな差が生じる。
2014-15シーズン、NBA各チームの平均移動距離は1試合あたり約16.83マイル(約27.1km)だった。それが2024-25シーズンには、18.35マイル(約29.5km)まで跳ね上がっている。
今からほんの10年前、サンアントニオ・スパーズは1試合あたり17.68マイル(約28.5km)でリーグトップだったのが、今では同じ距離を走ってもリーグ最下位クラスになってしまうのだ。 そのため、ケガの部位についても当時と今では変化があるとレブロンは言う。
「全く違うゲームなんだ。その影響で、(筋肉や腱、靭帯などの)軟部組織のケガが増えている。これについては俺たちでうまくコントロールできればと思っている。それが俺たちのゲームにおいて大きな問題になっているからだ。俺がリーグに入った頃は、ケガの大きな懸念事項のひとつは、足首の捻挫とかだった」
レブロンは具体例を出しながら、次のように続ける。
「ペイントエリアに4、5人が構えていたから、誰かの足を踏んでしまうのが怖かった。俺やトレイシー・マッグレディ(元オーランド・マジックほか)、ヴィンス・カーター(元トロント・ラプターズほか)といった運動能力の高い選手たちは、レーン内が混み合っていたから、あそこで跳び上がることが怖かったんだ。
誰かの足を踏んでしまうと、足首を捻挫して4~6週間の離脱を余儀なくされた。今はフロアのスペースが広がって、ハイペースで行なわれるようになった分、そういったケースは以前ほど多くない。その分、今はふくらはぎや足首上部のケガになるんだ」
昨季はプレーオフの期間だけでデイミアン・リラード(当時ミルウォーキー・バックス/現ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)、ハリバートンがアキレス腱を断裂。今季も前半戦だけでふくらはぎの負傷により、多くの選手が戦線離脱を余儀なくされている。
ふくらはぎを痛めていても、プレーオフになれば強行出場するケースは多々ある。しかし、その選手がステップバックから3ポイント狙うようなプレースタイルであれば、なおさらアキレス腱を痛める可能性が増してしまう。
そうした現状を踏まえて、レブロンは改めてこう口にしていた。
「医学的な観点で、この状況を改善できればとは思うけど、それがこのゲームの特徴なんだ。ファンのみんなには、このゲームが以前とは異なるものだと理解してほしい。NBA選手として、当然俺たちはできる限り多くの試合に出たいんだ」
このままスター選手たちのケガが頻発すれば、リーグとしてもダメージは大きい。オールNBAチームやMVPといったアウォード選出のボーダーラインを65試合から減らす、あるいはレギュラーシーズンの期間延長や試合数の減少など、何らかの策を講じる必要があるのかもしれない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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