吉田麻也をはじめ、南野拓実、冨安健洋、菅原由勢らサッカー日本代表メンバー、英国プレミアリーグの超一流選手たちからもオファーが殺到する治療家の木谷将志氏。
「ストレッチで筋肉を伸ばすだけでは、慢性的な疲労は抜け切らない」と語る木谷氏が吉田選手の治療の過程でたどり着いたリカバリー術の真髄とは?
『世界が認めた神リカバリー』(サンマーク出版)より一部抜粋、再構成してお届けする。
黒人系選手の筋肉はアクティベートの理想
これは日本代表の南野拓実選手に聞いた話だ。
セネガル代表に、〝アフリカの英雄〟とも呼ばれるサディオ・マネ選手がいる。彼はプレミアリーグ「リバプール」時代、南野選手のチームメイトだった。
海外サッカーに詳しい人ならご存じだと思うが、名将ユルゲン・クロップ監督時代のリバプール黄金期を支えた「背番号10番」だ。
個人としても、チームとしても、数々のタイトルを獲得したスター選手である。南野選手曰く「マネは見た目は細いのに、身体がとんでもなく強い」のだとか。
たしかに、テレビを通して見るマネ選手は細身だが、屈強で体格の大きい選手とぶつかっても、当たり負けしないのが特徴だ。
コンタクトの瞬間にギュッと身体が硬く、強くなる印象なのだ。察するに「筋肉の収縮率を急激に上げられるタイプの身体」なのだろう。
それに細身とは言え、お尻とハムストリングには並々ならぬ筋肉が付いている。私自身も継続的に施術をさせてもらっている黒人系選手は何人かいる。
その経験から言うと、もともとアフリカンや黒人系選手の筋肉は「収縮率が高い」という点で共通している。
しっかり縮むことができるし、しっかり伸びることもできる。つかむとふわふわと柔らかいのに、瞬発的に異常に強い力を入れられる筋肉なのだ。
「緩める」と「縮める」はどちらも大切
もちろん身体には個人差があるので、黒人系選手のなかにも、筋肉が張りやすい選手と筋肉が張りにくい選手の2パターンがいる。
けれど、アジア系や白色系の選手に比べると、さわっても硬くないし張ってもいない、いい感じの柔らかさの筋肉を持っているケースが多い。
さて、どうしてマネ選手や黒人系選手の話をしたかというと、「筋肉を縮めること」が疲労回復のためにいかに重要かをお伝えしたいからだ。
彼らのような「ふわふわなのに、ギュッと収縮できる」筋肉こそが、疲労回復する上では理想的な状態だと私は考えている。
柔らかく緩んでいて、収縮率も高い。それは、筋肉がアクティベートした状態と言える。アクティベート(activate)とは、「活性化する」「活動的にする」というニュアンスの言葉。
日本で一般的によく知られている使い方は、海外旅行に行った際に「スマートフォンをアクティベートする」だろう。
ハードウェアやソフトウェアを有効にして利用できるようにする行為を意味し、銀行の口座やアカウントなどを活動状態にするときにも使用される。
「それまで眠っていたものが、活動的になる」、そんな概念だ。そして、そのイメージを筋肉にもあてはめてほしい。
筋肉の「緩む」と「縮む」が思い通りにできて、炎症や損傷とも無縁で、本来の機能が十全に発揮されている。
その結果、関節もうまく動いている。そんな理想的な状態の筋肉を、私は「アクティベートな筋肉」と表現している。
アクティベートな状態の筋肉は、疲れ知らず。疲れ、こり、痛み、という三重苦とは無縁で、その人のメンタルまで強くして、最高のパフォーマンスを叩き出すことに貢献してくれる。

