今季のニューヨーク・ニックスは、12月16日にラスベガスで行なわれたNBAカップ決勝でサンアントニオ・スパーズを撃破し、3代目王者に輝いた。この時点でチームはイースタン・カンファレンス2位の18勝7敗と好調で、カップ戦優勝によってさらに勢いづくと思われた。
しかし、2026年に入ると5勝8敗と黒星が先行。28勝17敗(勝率61.7%)でカンファレンス2位の座はキープしているものの、ボストン・セルティックスとはゲーム差なし。首位のデトロイト・ピストンズには6ゲーム差をつけられており、主力のカール・アンソニー・タウンズにトレードの噂が挙がっている。
昨季開幕前にミネソタ・ティンバーウルブズからトレードで加入したタウンズは、1年目から平均24.4点、12.8リバウンド、3.1アシストと、ジェイレン・ブランソンに次ぐ存在として機能。チームは彼らを中心に、プレーオフでは25年ぶりにカンファレンス決勝まで勝ち進んだ。
今季も12月まで平均21.9点、11.7リバウンドをマークしていたが、今年に入ってからは平均16.7点、10.6リバウンドと数字を落とし、ニックス不振の原因に挙げられている。
一部では、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)獲得の駒に使われるという声もある。ただ、レジェンドのポール・ピアースは、ポッドキャスト番組『No Fouls Given』で、ニックスフロントに対し焦って動くべきではないと釘を刺した。
「彼はプレーオフで評価されるべきだ。ニックスがKAT(タウンズ)と一緒にファイナルに行けば、すべて静かになる。これが、GM(ゼネラルマネージャー)や球団がやりがちな一番悪いところだ。レギュラーシーズンで落胆して、愚かな決断を下す。でも違う。俺たちはプレーオフで何をしたかで評価されるべきで、そこからチームを作っていくんだ」
一方、NBA優勝3回を誇るダニー・グリーンは、トレード自体には反対しないものの、「タイミングが悪すぎる」と指摘していた。
「オールスター1人で、優秀なロールプレーヤー数人と釣り合うことはある。でも、もしトレードするなら、今季がどう終わるかを見るべきだ」
仮にヤニス獲得の目玉としてタウンズを放出したとしても、それが問題解決につながるとは限らない。グリーンは、このトレードで複数の選手を手放すことで、全体の層が薄くなる点を懸念していた。
「OKC(オクラホマシティ・サンダー)や(サンアントニオ)スパーズ、デンバー(ナゲッツ)と渡り合うには、層の厚さが必要だ。ヤニスを取りに行けば、タウンズに加えて他の誰かも手放さなければならない。つまり、スターを取る代わりに厚みを失うことになる」
ニックスに限らず、どれだけ強力な戦力を有していてもシーズン中にスランプを経験するチームは少なくない。最も重要なのは、プレーオフが始まるまでに問題を修正できるかどうかだ。
NBAで頂点に立ったピアースとグリーンは、その点を誰よりも理解している。だからこそ、彼らはニックスに強く警鐘を鳴らしていた。
構成●ダンクシュート編集部
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