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「救世主か、幻想か」アルベロア監督就任で豹変したマドリー、その正体が露わになったベンフィカ戦を経て再び停滞感に包まれたチームのエンディングは?

「救世主か、幻想か」アルベロア監督就任で豹変したマドリー、その正体が露わになったベンフィカ戦を経て再び停滞感に包まれたチームのエンディングは?

アルバロ・アルベロアの監督就任が強力なカンフル剤となり、レアル・マドリーが突如として生まれ変わったかのような姿を見せている。スペイン紙『AS』の副編集長、ハビエル・シジェス氏は、その変貌ぶりを「変わったのは、ほんの僅かな点だ。しかし、それによってマドリーのすべてが変わった」と、極めて示唆に富む言葉で表現している。

 この変化をマドリディスタが歓迎しないはずがない。その代弁者として知られる『AS』のトマス・ロンセロ記者は、ご満悦な様子でこう綴っている。「アルベロアは、迷走し、目を疑うほど献身性を欠いていたチームの『失われた誇り』を激しく揺さぶり起こした。これまでのマドリーは、勝つ時は事務的で、負ける時は呆気なく諦める、ただ不運に身を任せるだけの集団だった。だが、妥協なき姿勢から『スパルタの戦士』とも例えられるアルベロアは、白いユニホームを纏い戦う意味を問い直す中で、チームの連帯感を取り戻した。安易に笑顔を見せない指揮官の下、全員の足並みはリーグとCLの二つの頂点へと向けられたのだ。わずか2週間前には夢物語でしかなかった現実が、今、牙を剥き始めている。この新しいマドリーを侮ってはならない」

 一方で、宿敵の動向を冷ややかに見つめるのは、バルセロナ寄りのスポーツ紙『SPORT』のリュイス・ミゲルサンス記者だ。彼は皮肉を込めてこう切り捨てる。「この変化が救世主アルベロアの手腕によるものだと信じている者は、どこにもいない。初陣となったコパ・デル・レイのアルバセーテ戦で主力の大半を外すという奇妙なメンバーを編成し、2-3の敗戦を招いてあっさりと大会を捨てた男だ。今回の変貌は、ひとえに選手たちによるものだろう。シャビ・アロンソが解任された途端にこれほど走れるのであれば、彼を追い出すために力をセーブしていたのだと自白しているようなものだ。今やピッチを食い尽くさんばかりに走り回る姿は、奇妙にさえ映る。だが不可解にも、マドリーは再び『チーム』として機能し始めた。華やかさはないが、守備が固く、信頼に足る集団へと戻りつつある」
  また、フリージャーナリストのミゲル・キンターナ氏は、ファンの厳しい反応が引き金になったと分析する。「サンティアゴ・ベルナベウの観客がチームに浴びせたブーイングを否定するのは、もはや困難だ。なぜなら、その批判がこれほどまでに明白な『選手の豹変』を引き起こしてしまったからだ。そして、その豹変ぶりは、かつての無気力な態度と同じくらい、プロとしての品格を疑わせるものだ」

 しかし、そのチームを取り巻く歓迎ムードは一晩で暗転する。28日のCLリーグフェーズ最終節、マドリーは敵地でベンフィカに2-4で敗戦。9位に転落し、決勝トーナメントへストレートインできる権利を逃している。

「救世主」と持て囃された若き指揮官には、改めて重い課題が突きつけられた格好だ。ベンフィカにプレー強度で後手に回り、ミゲルサンス記者が皮肉った疑念を選手たちはピッチ上で裏付けてしまった。

 アルベロアは「マドリーはスタイルや戦術を超越した存在だ。何より重要なのは情熱、気概、メンタリティ、野心、そして献身だ」と説く。だが、直近数試合で取り戻したはずの躍動感は消え、チームは再び自らを見失ったかのような停滞感に包まれた。

 再建への一歩を踏み出した矢先の手痛い足踏み。アルベロアに託された白い巨人の復活劇はどんなエンディングを迎えるのか。

文●下村正幸

【動画】マドリー、痛恨の逆転負け! ベンフィカ戦ハイライト
配信元: THE DIGEST

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