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ランドセルが思い出と共に次の子どもたちへ「笑顔でつなぐランドセルプロジェクト」が生まれた場所

ランドセルが届いた先で起きていること

写真提供:国際協力NGOジョイセフ

ランドセルが子どもたちの手に渡ったあと、最初に変わるのは日常の風景です。
これまで教科書を手に持ったり、袋に入れて通っていた子どもたちが、ランドセルを背負って歩くようになります。
それだけの変化ですが、地域にとっては大きな意味を持ちます。

多くの地域では、学校という場所や「勉強をする」という行為そのものが、目に見えにくい状況にあります。
ランドセルを背負った子どもが村の中を歩くことで、周囲の大人たちは「学校へ行っている」という事実を自然と認識します。
その積み重ねが、教育への意識を少しずつ地域全体へ広げていくきっかけになります。

写真提供:国際協力NGOジョイセフ

また、ランドセルは子どもだけのものではありません。
配付の際には、先生や地域の代表者から使い方の説明が行われ、ランドセルの中には、保健や衛生に関する簡単な情報が掲載されたカレンダーや文具が入れられます。
それらは、家庭に持ち帰られ、お母さんたちの手にも届きます。

外出や情報収集の機会が限られている地域では、こうした小さな情報が、家族の健康を考えるきっかけになることもあります。
ランドセルを通じて、学びだけでなく、暮らしそのものに目を向ける流れが生まれているのです。

現地では、ランドセルを受け取った子どもたちが、将来の夢を語る場面も見られます。
「将来は助産師になりたい」といった言葉が紹介されているように、ランドセルは学用品であると同時に、未来を思い描くための存在にもなっています。

一つのランドセルが届くことで生まれる変化は、決して派手なものではありません。
けれど、その積み重ねが、学びや健康、そして地域の意識へと静かにつながっていきます。

「笑顔でつなぐランドセルプロジェクト」という名前に込めた想い

写真提供:国際協力NGOジョイセフ

この取り組みには、「笑顔でつなぐランドセルプロジェクト」という名前が付けられています。
ランドセルを贈る活動は数多くありますが、ここで大切にされているのは、モノを渡すことそのものではなく、「想いをつなぐ」という考え方です。

日本で役目を終えたランドセルには、通学路の記憶や、友だちとの時間、家族に見送られた朝の風景など、持ち主それぞれの思い出が詰まっています。
そのランドセルが、次の子どもの背中で新しい時間を刻み始める。
その連なりを、笑顔でつなげていきたいという想いが、この名前には込められています。

写真提供:国際協力NGOジョイセフ

プロジェクトでは、ランドセルと一緒に、オリジナルの鉛筆も届けられています。
この鉛筆は、日本国内の間伐材を使って作られたもので、「A wish comes true(願いは叶う)」という言葉が刻まれています。
日本でランドセルを預けた人と、遠く離れた場所でそれを受け取る子どもたちが、同じ言葉を手にする。
そこには、国や文化を越えて想いを共有するための、ささやかな仕掛けがあります。

写真提供:国際協力NGOジョイセフ

さらに近年では、折り鶴を一緒に届ける取り組みも行われています。
宿泊者が折った鶴をランドセルに入れ、日本の文化や願いを添えて送り出すというものです。
長寿や幸福を願う折り鶴は、言葉が通じなくても気持ちが伝わる存在として、ランドセルの中にそっと加えられています。

ランドセル、鉛筆、折り鶴。
どれも特別なものではありませんが、組み合わさることで、ただの支援物資ではない意味を持ち始めます。
「誰かが自分のことを思ってくれている」。
その感覚こそが、このプロジェクトが届けている本当の価値なのかもしれません。

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