・まさかの快諾
自分で誘っておいてなんだが、ダメだろ飲みになんて行ったら。そこは我慢しないと。しかし原田はノリノリで、「いつ出る? こっちはもう準備できてるから」と逆に私をせかしてくる始末。場所は会社近くの鳥貴族だ。
さすがにここは自制してソフトドリンクを頼むだろう……と思いきや、原田が注文したのは普通に生ビール。ダイエット中にプレモル飲むとか人生舐めすぎだろ。プレミアムな時間を過ごす気満々である。
原田「乾杯のビールは、映画の始まりに流れる東映のロゴみたいなもの。つまり、まだ本編じゃないんよ。だから飲んでも平気平気」
──ちょっと何を言っているのか分からないが、そこへ一緒に頼んだ『キャベツ盛』がやって来た。あ! やっぱり野菜中心なんですね! エライ!!
と思ったら焼鳥もめっちゃ来たぞ! どこがダイエット中なんだコラ!! 痩せたいのに『貴族焼』頼んでんじゃねェェェェェェエエエエ!
原田「いや、『貴族焼』でもこれは胸肉やからね。ヘルシーだから何本食べても大丈夫。しかもタレじゃなく塩やし」
原田「砂肝は歯ごたえがあって顎が疲れるからダイエット効果がたぶんある。だから何本食べても大丈夫っしょ。知らんけど」
原田「軟骨なんて、ただの骨やん? 冷静に考えて骨で太るわけがないやん? だから何本食べても大丈夫」
こんなポジティブなクズは見たことがない。ロケットニュースのクズ代表と言えば佐藤パイセンだが、原田はパイセンとはまた違ったベクトルのクズである。たかだか十数名の編集部に2人もクズがいるのか……。
ここで道具をビールからメガハイボールに切り替える原田。「ハイボールはビールよりも太りにくいから、メガジョッキでもただちに問題はない」という謎の理論を展開していた。まさにメガクズ。
「山芋は野菜でヘルシーだから逆に痩せると思う」と言いながら『ふんわり山芋の鉄板焼』を口に運ぶ姿は、さながらフライドポテトを野菜と認識するアメリカ人のようだ。
まあ、そんなアメリカ人が実在するのかは不明だが、原田は私の目の前にたしかに存在している。とそこへ……
\ ドン! /
おい!!
・ミスターノープレーキ
やって来たのは、トリキ名物『もも貴族焼』のタレ。マジかよ、いよいよ胸肉でも塩でもないじゃないか。さすがにこれでヘルシーは無理があるだろ! すると原田は……
まずキャベツを食べ……
すぐさま『もも貴族焼』を食べ……
再びキャベツをパクリ。は?
原田「キャベツとキャベツで焼鳥を挟むことによって焼鳥がひっくり返り、すべてがキャベツに変わる。つまりキャベツしか食べてないのと同じなのよ。これをオセロの法則という」
そんなわけあるか!!
