近年のNBAではスター選手の大ケガが相次いでいる。昨季プレーオフではデイミアン・リラード(ミルウォーキー・バックス/現ポートランド・トレイルブレイザーズ)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)がアキレス腱を断裂し、いずれも長期離脱を余儀なくされた。
そんななか、アキレス腱断裂の苦痛をよく知るのが、かつてワシントン・ウィザーズなどで活躍したジョン・ウォールだ。
5度のオールスター選出経験を持つウォールは、2019年に左アキレス腱を断裂。当時28歳でリーグ屈指のポイントガードの1人だったが、その後コートに立てたのは4年間で74試合のみ。ロサンゼルス・クリッパーズでプレーした2022-23シーズン以降は無所属の状態が続き、昨年8月に現役引退を発表した。
現在『Prime Video』のNBAアナリストを務めるウォールは、『Front Office Sports』のインタビューで、11年間のキャリアで最も後悔しているのは、常にケガを抱えたままプレーしていたことだと語った。
「キャリアについて常々思っていたのは、軽い故障でも無理してプレーせず、きちんと治しておけばよかったということだ。それが大きなケガにつながった。でも、ゲームが大好きだからコートに出たくなるんだ」
2010年のドラフト1位でウィザーズに入団したウォールは、オールスターに出場した14~17年の4シーズンで、欠場したのはわずか12試合。16年のオフには両ヒザの手術を受けたが、翌シーズンの開幕には復帰している。
ウォールは、近年増加している大ケガの問題を軽減するには、小さな故障をきちんと治してから復帰することが重要だと述べた。
「ハムストリングを軽く痛めた場合は、完全に治してから戻るべきだ。そうでないと、ちょっとした違和感でも再発する。ふくらはぎのケガも同じで、焦らず治すことだ。ふくらはぎはアキレス腱とつながっているからね」
今季、サンアントニオ・スパーズのヴィクター・ウェンバンヤマは、11月に左ふくらはぎを痛めて約1か月離脱。復帰直後はベンチから出場し、プレータイムも制限された。
バックスのヤニス・アデトクンボも、12月にふくらはぎを負傷して数試合を欠場。さらに1月下旬にも同部位を痛め、離脱を余儀なくされた。全治4~6週間と言われているが、ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は「復帰時期は未定」とコメントしている。
また、ケガの多さはゲームスタイルの変化が原因だと指摘する声もある。ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCは、ペースの急激な上昇がケガの増加につながっているとして、リーグに対してシーズン短縮を提案している。
しかしウォールは、故障はプレースタイルやスケジュールの問題とは関係ないと考えている。
「ゲームのせいだとはあまり思わない。このゲームをプレーした人間は何百人もいて、82試合フル出場した人もいる。そういうケガはコントロールできないんだ」
ケガとどう向き合うかは、選手個人だけでなくリーグ全体の課題でもある。ウォールの後悔は、次世代のスター選手たちが長く活躍するための重要なメッセージになるかもしれない。
構成●ダンクシュート編集部
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