シーズンも折り返しを過ぎた1月末現在、イースタン・カンファレンスで唯一勝率7割超え(73.9%/34勝12敗)をキープし、首位の座を盤石にしているデトロイト・ピストンズ。その好調を支えるのは、ウエストのオクラホマシティ・サンダーに次ぐ守備力だ。
とりわけ奮闘が光るのが、12月の月間最優秀守備選手賞に選出されたアイザイア・スチュワート。控えセンターである彼は、出場時間は平均23.5分と決して多くはないなかで、10.1点、5.5リバウンド、ブロックに関してはリーグ6位の平均1.86本という目覚ましい数字を残している。
カンファレンス最高の守備職人の称号を受けた12月は、5ブロックを記録した1日のアトランタ・ホークス戦を皮切りに13試合で合計28ブロック、平均2.15ブロックとリムプロテクターぶりを存分に発揮した。
「すべてのシュートをブロックできるわけではないけれど、相手のシュートコースを狂わせたり、チームディフェンスで穴のある部分を埋めている」
自らそう語るスチュワートのプレー哲学は、試合でのパフォーマンスを見れば一目瞭然だ。守備時は常に全体を見回し、相手の得点を阻止する位置に身を投げ出している。
右足首を負傷したジェイレン・デューレンに代わって先発出場した1月7日のシカゴ・ブルズ戦では、ゲーム最多、そして6年目でキャリアハイとなる31得点を奪うなど、オフェンス面でも勝利に貢献した。
そんな肉体派のビッグマンに対し、チームのエースであるケイド・カニングハムも賛辞を惜しまない。
「これまでリーグでトップクラスのディフェンダーたちと対戦してきたけれど、彼(スチュワート)と毎晩対戦しなくて済むのは本当にラッキーだって思えるよ。彼は別格なんだ。ポイントガードにも屈強なインサイドの選手にも対応できる。
彼は何だってやってのける。ゴール下では相手が誰だろうと立ちはだかるんだ。こんな選手が自分のチームにいてくれるなんて、なんて贅沢なことだろうって思うよ。彼はうちのチームの守備の要だ」 2020年のドラフトでポートランド・トレイルブレイザーズから全体16位指名を受け、トレードを経てピストンズに入団したスチュワートは、今季でキャリア6年目。そのすべてをデトロイトに捧げてきた現チームで最古参のメンバーだ。
そして、翌年のドラフトでフランチャイズ再生の救世主として入団した“ドラ1”のカニンガムとは、ともに苦しい時期を耐え忍んできた同志でもある。
カンファレンス首位チームのエースとして2月15日に開催されるオールスターのスターターにも選出されたカニングハムは、「彼はリーグ最高のディフェンダーだ。ディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞してほしい。彼にはその資格がある」と、相棒に最大級の称賛を贈った。
一方のスチュワートも、「それが目標だ。自分がリーグ最高のディフェンダーだと、俺は本気で信じているからね」と、自らの守備力に自信と誇りを持っている。
セレブが出演するクッキング番組でオックステール(牛テール)のシチューを作ったのをきっかけに、苗字のStewart とシチュー(Stew)をかけて“ビーフ・シチュー”のニックネームで呼ばれているスチュワート。そこには“闘牛のごとき勇猛さ”という、彼の勇ましいプレーへの賛辞も込められている。
地元ファンはスチュワートを「デトロイトの魂を体現する存在」と呼び、ピストンズのフランチャイズプレーヤーとしてキャリアを全うしてほしいと願う者も少なくない。
現在のチーム状況を考えれば、昨季に続く2年連続のプレーオフ出場は確実。ピストンズを支えてきた“猛牛”スチュワートの、次なるステージに向けた闘いは続く。
文●小川由紀子
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