・休息の準備も忘れずに
朝から晩まで歩き回るのだから、そりゃ、万博で遊ぶとなると体力が尽きることもある。以前までは、そんな時に心強かったのが大屋根リング下のベンチだった。
直射日光を防ぎ、風が通り、木のぬくもりを感じながらベンチで座ってお茶を飲みながらほっこりする。かつての大屋根リングには、そういう空間が広がっていた。
ところが今はどうだ。ベンチが空いているのは、比較的人が少ない午前中のわずかな時間だけ。午後から夜にかけてはほとんど埋まっている。……つまり我々は、ベンチに変わる休息場所を自分で準備しておく必要があるのだ。
筆者の場合はレジャーシートを持って行き、大屋根リング下の人通りが少ない場所でランチやおやつを楽しんだ。
座って水分と食べ物をとれば疲労が回復するのはもちろんのこと、大阪・関西万博のシンボルとも言える大屋根リングでピクニックができたという思い出も残る。一石二鳥だ。
荷物に余裕がある人は、折り畳みチェア&テーブルを使うとよりリラックスできるだろう。
とにかく、楽しい1日を送るためには健康が一番。無事に家までたどり着けるだけの体力を温存することこそが、万博で勝つための秘訣と言えるはずだ。
・帰る時間には余裕を持とう
1日の最後にして最大の難関が、万博会場・夢洲からの帰り道だ。
なんていったって、入場時はバラバラだった20万人もの来場者が、閉園と同時に一斉に帰路につくのだから。西ゲートも東ゲートも大混雑になるのは当然のことである。
この日、筆者は舞洲にあるP&R駐車場を利用して西ゲートから帰宅。会場 → 駐車場のバスを待つ列が長かったのはもちろんのこと、さらに参ったのが車に乗ったあとの渋滞だった。
時間にして、駐車場を出るまでに30分以上、さらに舞洲から本州へ渡るまでに10分ほど。ノロノロと進む車列の中、疲れ切った身体でじっと耐える時間はまさに根性勝負だった。
それでも、マイカーの場合は座れるだけマシだ。
東ゲートでは、夢洲駅までの道が牛歩状態。ようやく駅に着いても車内はすし詰め状態。中には電車を諦めて、徒歩で夢洲を脱出しようとする人の姿までちらほら見かけた。
西ゲートでは、数えきれないほどのタクシーが大渋滞。桜島駅へのバスに予約が必要なことを知らなかった人が、絶望的な表情で立ち尽くす姿も見かけた。
日によっては会場からの退場制限がかかることもあるらしく、誰もが帰宅難民になる可能性を孕んでいる。
体力に自信がある人なら、閉園間際まで遊ぶのも自己責任で楽しめるだろう。問題は体力のない人やお年寄り、子どもたちだ。
帰り道の混雑は、人によっては万博の思い出を一変させてしまうほどの負担になりかねない。
せっかくの機会がもったいなく感じるかもしれないが、元気に家まで帰れることが最優先。閉園前に切り上げ、帰宅時間には余裕を持つ勇気も大切にしてほしい。
