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「応援してくれる人がいたから諦めなかった」成田昭次、転落と再生の自叙伝に込めた覚悟

「応援してくれる人がいたから諦めなかった」成田昭次、転落と再生の自叙伝に込めた覚悟

元男闘呼組の成田昭次の自叙伝、『人生はとんとん―成田昭次自叙伝―』が話題を呼んでいる。幼少期から現在までの半生をつぶさに振り返り、芸能界での活動、突然の逮捕、そして消息不明とされた活動休止期間について自ら赤裸々に明かしたこの1冊。去る1月24日に都内で催された発売記念イベントには、全国から多くのファンが駆け付けた。あらためて、本人の胸の内に迫ろう。

「別人のように丸くなった」、現在の成田昭次

「波乱万丈であったことは間違いありません。でも、それ以上に人に恵まれてきた人生であることを実感していて、いつでも必ず応援してくれる人がそばにいてくれました。おかげで諦めずに今日までやり続けられたことを、僕自身、とても誇りに思っています」

発売記念イベント前に設けられた取材対応の場で、記者から飛び出した「自分の人生を振り返ると?」という質問に対し、成田昭次は柔らかい口調でそう語った。

愛知県名古屋市で育ち、中学3年生のときに縁あって芸能界の門を叩いた成田は、1988年8月に男闘呼組のボーカル&ギター担当としてレコードデビューを果たした。デビューシングル『DAYBREAK』はオリコンのウィークリーチャートで1位を獲得し、実に69万枚を売り上げる大ヒットを記録している。

同時期に活躍した光GENJIや忍者らといったアイドルグループと比べ、ロックバンドとしてのユニット構成が新鮮で、高橋和也、岡本健一、前田耕陽ら個性的なメンバーの中にあっても、成田の存在感は出色だった。

いかにも不良然としたキャラクターに、ハスキーな歌声。メディアに対する尊大な態度が時に批判を浴びることもあったが、「あの頃は敬語を使わなかったのではなく、そもそも敬語を知らなかったんです」と本人は苦笑交じりに振り返る。

現在の成田は、精悍な顔立ちに当時の匂いを残しているものの、別人のように穏やかだ。現在、57歳。これも人一倍の波乱に塗れた年輪によるものだろう。

「たしかに、別人のように丸くなったとよく言われます。(男闘呼組の)メンバーとメールでやり取りをしているときも、昔は絶対に使わなかった敬語を使うものだから、『本当にあの昭次と同一人物なのか!?』と疑われるくらいです(笑)」

男闘呼組活動休止、逮捕、そして再生への道のり

デビューから瞬く間にスターダムにのし上がった男闘呼組。しかし自叙伝『人生はとんとん―成田昭次自叙伝―』に綴られる当時の活動の裏側には、あの時代ゆえの苦悩が色濃く見て取れる。

80年代後半は第二次バンドブームが起きた年であり、とりわけ首都圏では『三宅裕司のいかすバンド天国』が人気を博していた。さらにTHE BLUE HEARTSやJUN SKY WALKER(S)など、名だたるバンドが登場したことが、ブームをいっそう加熱させた。

アイドル事務所に所属する男闘呼組には、これが逆風となる。「本物ではない」、「偽物のバンドだ」などといわれなき批判を浴び、音楽と真摯に向き合っているからこその辛苦に苛まれた。

それでも「俺たちは“男が闘いを呼ぶグループ”だ」と、逆境を力に変えて前を向き続けた当時の描写には、字面以上の悩みと覚悟、そして決意が窺える。

1993年、事務所が高橋和也を解雇したことを機に男闘呼組の活動がストップすると、自叙伝としての展開もいっそう加速する。それは成田の人生の波乱にブーストがかかったことと同義である。

ソロでの活動。事務所の退所。離婚。そして大麻取締法違反による逮捕――。

表舞台を去ってからの空白期間はある意味、『人生はとんとん―成田昭次自叙伝―』の最大の見どころと言えるだろう。41歳にして大工として働き始め、その後、材木屋や工場、飲食店での仕事に勤しむ日々は、いわゆる「職を転々」とした虚無な時間ではない。

成田昭次という元芸能人が、ひとりの人間として大きく成長するために必要な糧を得る時間であった様子が、行間からもありありと窺える。

この期間は世間的に、成田が消息不明とされていた時期であるが、本書を一読すれば、これがいかに重要なターニングポイントであったかが理解できるはずだ。記者会見中、本人が再三に渡って周囲への感謝を口にしたのも、まさにこの時間があればこそ、だろう。

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