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「日本で一番上手い」と称されるスキーヤー|坂本豪大の攻めたスキーライフ

うまさの本質

Photo:HIDE CHIYASU 

坂本豪大ほど、その滑りがリスペクトを集める滑り手もいない。フリースタイル界はもちろん、基礎スキー界のトップアスリートでさえ、「あれほど上手いスキーヤーはいない」「日本で一番上手いんじゃないかと思う」と舌を巻くほどだ。

坂本豪大の滑りを一言で表すとしたら「あらゆる雪質・シチュエーションでもブレない上手さ」とでもいおうか。モーグル、カービング、パウダー、バックカントリ─、エクストリームなビッグマウンテン、どのフィールドに立っても、その滑りは同じ美しさを放つ。

「上手いっていうのは、見た目もそうだけれど、体の使い方。パッと見たときに「上手いな」と思う人と、「滑れてるけど上手くないな」って思う人がいて、それってポジションなんですよね。ライン取りもそうですが。

上手いのとクセが強いのは違うと思っていて。パッと見、ダサいなって人が結構多い。手の位置や顔の向きとか。基礎スキーヤ-を見ているとわかるけど、みんな同じような滑りをしていても、上手い人は、そういったちょっとしたところが違う。クセじゃなくてスタイルとして表現できてる。

本当に上手い人は、どこを滑っても同じ位置に乗っているように見える。パウダーでもコブでも整地を滑っていてもポジションが変わらない。上手い人っていうのは足首の使い方が上手なんですよ。普通、足首ってブーツを履いているから使えないものだと思ってしまう。だからみんな不必要に硬いブーツを選ぼうとするんですよね。

足首で体のバランスを整えないと上手く滑れない。バランスとるのは腰の位置じゃないですよ! それには足首で重心移動を覚えるのが一番です。みんな大袈裟に膝や腰を使おうとする。だから、パウダーにいくと膝から曲がって腰が落ちちゃう。コブに入ると前にいこうとして膝が伸びちゃうからコブが吸収できなくなっちゃうんです。そうじゃなくて、いいポジションをつくった状態で足首だけ曲げて前にいく、後ろにいく。これでお尻の位置が変わるから頭の位置も変わって、それだけで重心移動ができるんです」

「上手さとは」の話しになると、ひときわ熱が入る。

「足首を使えるようになるには、普段から足首を動かすことに意識を向けるといいです。例えば自転車は、自然すぎて気づかないけど、漕ぐ動作って実はすごく足首を使っています。それをもっと意識して動かしていると、変わると思います。インラインスケートもすごくいいですよ。スノーボードもオススメです。僕が強かったのは、スノーボードをやっていたからじゃないかな。当時周りは誰もやっていなかったですけど、影響されてスノーボード始めた連中は、スキーめちゃめちゃ上手くなりました。甲の部分以外のバックルを全部外して滑るのも、いい練習になると思います」

バックルを外した状態でも自在に滑れるほど、足首を使う感覚を養う。その足首の使い方が、どんな地形や雪質でも同じポジションで、余裕たっぷりにスタイリッシュに滑る秘密のようだ。少しの解説にも上達へのヒントが散りばめられている。じっくりと雪上で指導を受けたら、どれだけの気づきや学びがあるだろう。

誰でも、坂本豪大のレッスンを受けることができるので、「上手さ」を学びたいスキーヤーはメッセージを送ろう。

北海道での暮らし

これが坂本ファミリーのマイホームと6000坪の庭 Photo:GOH FUJIMAKI

2001年、ちょうど坂本がプロ宣言をした頃、とあるスキー雑誌にこんな坂本の言葉が伝えられていた。
「僕、早く結婚したいです」

「あぁ、あの頃からずいぶん時間がかかっちゃいましたね(笑)」

こう笑う坂本は、現在では4歳の息子と、2歳の娘の父親だ。愛妻と北海道赤井川村で、家族4人で暮らしている。なんと新居に購入した土地は6000坪。それも有名な観光スポットの山中牧場のすぐ傍だ。

こんな農業ライフも満喫中

「いい場所に広い土地と大きな家が欲しかったんで、満足ですね。ずっと抱いていた夢が、自分の家の目の前にモトクロスのコースがあって、すぐ乗りに行けることだった。もう小さなコースは作ったので、それは実現できました!この先は、キャンプ場をやりたいんです。民泊もやりたいねって奥さんと話してます。子どもたちがもうちょっと育ったら、いろいろやりたいな~。

ハッピー4人家族
さすがワイルドなお父さんぶり

雪の上でいくと、オールラウンドなスキーを教えるスクールを立ち上げたいと思っているんです。でも、なかなか全部を教えられる人材がいない。だからすぐには難しそうだけれど、スクールは一つのビジョンとして持っていたい」

北の大地での暮らしは、希望と楽しみにあふれている。この先のことを語る坂本豪大は、やわらかな笑顔で本当に幸せそうだ。

自分にとってスキーとはなに?と聞くと

「人生です」。間髪入れずに答えた。

「人生のテーマ? 攻めですね。守りじゃなくて攻め続ける。絶対にあきらめない。
それがあればどんなことでも、もしも失敗しても続けていけるって思うから」

Photo:HIDE CHIYASU 

坂本豪大は今日も雪の上に立つ。
その滑りは、スタイリッシュで力強く、誇り高い。

坂本豪大が刻むラインは、ただの軌跡ではない。
それは、本質を追い求め続ける生き方そのものだ。

Profile

坂本 豪大 TAKEHIRO SAKAMOTO

北海道札幌市出身、プロスキーヤー
日本モーグル界の歴史を切り拓いたレジェンドアスリート。1996年、W杯初出場で日本人初の優勝という偉業を成し遂げ、一躍世界のスターダムへ。その後はカナダでの表現活動やスキークロス、フリースキーへとフィールドを広げ、近年は赤井川村に居を構えスキーレッスンにも注力。パウダー、コブ、カービング、ビッグマウンテン、いかなるシーンでも一貫したスタイリッシュな滑りを見せる。技術とスピードとキレ、創造性のすべてを備える真のオールラウンダー。

配信元: STEEP

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