
『頭文字D』の近未来を舞台に、実在する公道を封鎖して開催されるカーレースバトル「MFG」。ポルシェやフェラーリといったハイパワーなスーパーカーがひしめく中、非力な「トヨタ 86」を駆り、天才的なドライビングテクニックでジャイアントキリングを巻き起こす主人公・片桐夏向(カナタ/CV:内田雄馬)の活躍を描く『MFゴースト』。その待望のTVアニメ3rd Seasonが、2026年1月より放送中だ(毎週日曜夜11:30-0:00、TOKYO MXほか/PrimeVideo・ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)。1月11日に放送されたTurn26は、左肘の痛みを克服し、完全覚醒したカナタが怒涛の追い上げを見せる「火の玉」。(以下、ネタバレを含みます)
■「物理法則の支配下にいない!?」カナタの異次元走行とGTRの進撃
第3戦「ザ・ペニンシュラ真鶴」決勝は4周目に突入。前回ラスト、「今まで僕を抜いていった車たちをすべて抜き返さなきゃ このレースは終われない オーバー!」と力強くリベンジを宣言したカナタ。その言葉通り、86はまるで別の車に生まれ変わったかのような加速を見せる。
最初のターゲットは、13号車の前園和宏(CV:宮園拓夢)。一時は大きく引き離されていたはずの86が、バックミラーに映るほどの距離まで一気に迫ってきたことに、前園は戦慄する。そして訪れたオーバーテイクの瞬間。物理的にありえない速度でコーナーをクリアしていく86を見た前園は、「お前の足元だけアスファルトの質が違うってのか? 同じ物理法則の支配下にお前だけいないのはなぜだ?」と、恐怖すら滲ませて独白する。ライバルに「物理法則が違う」と言わしめるほどの異次元な走り。さらにカナタは、その勢いのまま前を行く6号車の柳田拓也(CV:坂田将吾)をも瞬殺。後ろからその様子を見ていた前園が「トラウマにならなきゃいいが」と柳田を心配するほど、その抜き去り方は圧倒的だった。視聴者からも「物理法則無視ワロタ」「相手が可哀想になるレベルの速さ」「まさに赤い火の玉!」と、カナタの無双ぶりに興奮するコメントが相次いだ。
一方、中団グループでも激しいバトルが勃発していた。11位争いを繰り広げる八潮翔(CV:田邊幸輔)と北原望(CV:芹澤優)のヤジキタ兄妹に、9号車の相葉瞬(CV:小野大輔)が襲いかかる。ここで流れたBGMは、いつものユーロビートでも「BACK ON THE ROCKS」でもなく、バッハの「トッカータとフーガ」。前作『頭文字D』から、「BACK ON THE ROCKS」と並び、たびたびGTRのテーマ曲として使用されてきた、まさに伝統の楽曲だ。これには「GTRの本気が来る!」「GTRといえばやっぱりこのテーマよね」と、ネット上も大盛り上がり。トンネルを抜けた瞬間、GTRのパワーを解放して2台をごぼう抜きする相葉の姿は、まさに「カミカゼ・ヤンキー」の面目躍如といったところだ。
また、レースの合間に挿入されるMFGエンジェルスのインタビューも健在。今回は佐藤真美(CV:林鼓子)が登場し、夏の予定を聞かれて「マミは貧乏だし どこ行ってもお金かかるじゃないですか だから家の近所のカフェでまったりするくらいかな」と回答。「地味でごめんよ」とカメラに手を振る姿に、「マミちゃん庶民的で推せる」「MFGエンジェルス、みんな夏休み地味すぎない?w」「逆に好感度上がるわ」と、癒やされるファンが続出した。

■オールドファン号泣! ガソリンスタンドの“同窓会”と侍の一閃
映像は再び86へ。180度ターンを失速することなくクリアするカナタの走りに、実況席もどよめく。2速が復活していることは明らかだが、なぜ急に痛みが引いたのかは誰にも分からない。ピットの緒方(CV:畠中祐)は「脳内モルヒネってやつじゃないですかね?」と推測するが、奥山広也(CV:阪口周平)は「それとは違う気がする」と否定。理屈では説明できない何かが、今のカナタには起きているのだ。
カナタの次なる標的は、3号車の大石代吾(CV:浪川大輔)。ランボルギーニ・ウラカンの圧倒的な車幅を活かし、「走るバリケード」としてブロックする大石に対し、カナタは一瞬の隙を狙ってオーバーテイク。解説の秋山渉(CV:松本保典)は、カナタのコーナリングを「まるで長年剣術の修行を重ねた剣豪が 敵が繰り出した白刃をギリギリでかいくぐると同時に踏み込んでいく 必殺の間合いに似ています」と表現。英国育ちのカナタに「日本の侍」を見る秋山の言葉に、「侍…! その表現しっくりくる」「渉の解説が詩的で熱い」「86が刀に見えてきた」と、視聴者も共感の声を上げた。
そして、今回のエピソードでシリーズファンを沸かせたのが、とあるガソリンスタンドのシーンだ。テレビ中継を見守っていたのは、武内樹(CV:岩田光央)、池谷浩一郎(CV:矢尾一樹)、ケンジ(CV:高木渉)の3人。『頭文字D』で藤原拓海と共に青春を過ごした仲間たちが、年を重ねた姿で登場。彼らは、このレースを「プロジェクトD、二人のエースの代理戦争」だと語る。高橋啓介(CV:関智一)が育てた諸星瀬名(CV:八代拓)と、藤原拓海の教え子である片桐夏向。どちらを応援するかと問われた樹は、迷うことなく「俺は初めから1ミリの迷いもないっすよ。タクミは俺の親友ですからね」と答える。すると池谷も涙を滲ませながら「タクミは秋名の誇りであり 俺たちの青春でもあるんだ」と返す。かつてのハチロクの激闘がフラッシュバックする演出もあり、ファンからは「樹ーーーっ!!」、「ここでこの3人は泣くって」、「『俺たちの青春』で涙腺崩壊した」、「変わらない友情に乾杯」と、SNS上は感動の嵐に包まれた。

■「悪魔的」なオーバーテイク! 諸星瀬名との決着
レースは終盤、4位争いが激化する。1号車の石神風神(CV:安元洋貴)と、それを追う885号車の諸星瀬名。そこにカナタの86が追いつき、三つ巴の戦いへ。石神は「注目のルーキー二人を後ろに従えて走る絵が 世界中に配信してもらえる」と、ベテランらしい余裕を見せる。そして迎えたアンバランスコーナー。ここから一気にダウンヒルへと突入する勝負所だ。瀬名が攻めあぐねる中、カナタが動く。86はアウト側からラインを変え、一気に加速。ここで流れたのは1st Seasonオープニングテーマ「JUNGLE FIRE feat. MOTSU」。「このタイミング最高!」「処刑用BGM発動!」と、ファンのボルテージは最高潮に。カナタは、瀬名が「こんなところでかよ!」と悲鳴を上げるほどの狭いスペースにノーズをねじ込み、サイド・バイ・サイドの状態から一気に885号車を抜き去った。あまりに鮮やかで、常識外れなオーバーテイク。実況の田中(CV:光部樹)が「もはや何が起こっていたのか理解が追いつきません」と言葉を失う中、秋山は「悪魔的な感覚が 片桐夏向にはあります」と、その才能を称賛する。
一方、この様子をモニターで見つめていたのは、瀬名の師匠である高橋啓介だった。啓介は、カナタのドライビングにある「欠点」に気づいていながら、あえて瀬名には教えていなかったことを明かす。「バトルの中で自分で見つけねえと話にならない」と語る啓介に対し、後輩の中村賢太(CV:岡野浩介)は「そう言うとこ やり方がどんどん涼介さんに似てくるな」と評する。「啓介が涼介さんみたいになってるのエモい」「啓介と賢太のコンビはマジで堅気に見えないw」など、多くのファンが反応していた。
ついに上位陣を伺う位置にまで順位を戻したカナタ。前を行くのは、昨年の王者・石神だ。瀬名は「俺にはどうしてもできなかったが お前ならやれてしまう気がする」と、悔しさを滲ませつつもカナタの実力を認め、その背中を見送る。怒涛のごぼう抜きを見せたTurn26。次回、カナタは鉄壁のポルシェをどう攻略するのか? 次回のレビューもお楽しみに!
◆文/岡本大介


