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「みんな性格悪くて最高」「どっちに感情移入すれば…」“鬼才”サム・ライミ監督らしさ全開…ホラーとコメディーのバランスが絶妙な復讐劇<HELP/復讐島>

「みんな性格悪くて最高」「どっちに感情移入すれば…」“鬼才”サム・ライミ監督らしさ全開…ホラーとコメディーのバランスが絶妙な復讐劇<HELP/復讐島>

「HELP/復讐島」が1月30日に日米同時公開された
「HELP/復讐島」が1月30日に日米同時公開された / (C)2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

「死霊のはらわた」「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ監督の最新作となる映画「HELP/復讐島」が1月30日に日米同時公開された。もしもパワハラ“クソ”上司と無人島で2人きりになったら…という、“逃げ場のない”シチュエーションでの恐怖、怒りなど、人間の中の狂気を浮き立たせるノンストップ復讐(ふくしゅう)エンターテインメント作品。「死霊のはらわた」シリーズが好きな人にとっては、スプラッター的要素とブラックユーモア(コメディー)色満載の本作にライミ監督らしさをたっぷりと感じることができるものになっている。

■「HELP/復讐島」の登場人物は?

本作の主人公は、コンサル会社の戦略チームで働く女性社員リンダ・リドル(レイチェル・マクアダムス)。数字に強く、すこぶる有能で、社長から副社長のポストを約束されるほどの人材なのだが、クセが強過ぎる。

職場で周りの人たちに積極的に話し掛けるなど、いい言い方をすれば社交性があるものの、空気が読めていない。ある男性社員が女子社員にちょっと遠回しにお誘いしているところに割り込んで自分も参加しようとしたり、“いっちょかみ”なところも。

序盤でリンダのキャラクターをしっかりと表現しているが、完璧な書類を作成しても重要な会議に出席させてもらえないとか、不遇な状況であることもよく分かる。「きみに読む物語」で世界的ブレイクを果たしたマクアダムスが、「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」(ディズニープラスで配信中)に続くライミ監督作品で、また新たな一面を見せている。

「HELP/復讐島」より
「HELP/復讐島」より / (C)2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

■空気の読めないリンダが“クソ”上司に目をつけられる

一方、“クソ”上司ことブラッドリー・プレストンを演じているのは、映画「メイズ・ランナー」シリーズなどで人気を確立したディラン・オブライエン。ブラッドリーは父から社長を引き継いだが、リンダとの初対面は最悪なものだった。

いつもの調子でリンダは積極的に話し掛け、自分をアピールするが、それが逆効果に。ブラッドリーは、リンダが安物の靴を履いていたことなど、いろんな理由をこじつけて、父親(先代の社長)が約束した副社長のポストも反故にしてしまう。

リンダの積極性が裏目に出たわけだが、そうじゃなくてもブラッドリーは傲慢で、結局リンダとはうまくいかなかったはず。ルックス重視で女性秘書を選ぼうとしたり、ゴルフができる男性社員を優遇したり、あからさまに差別する様子が見て取れた。

そんな苦境をリンダは笑顔で乗り切ろうとしているところに、社長のブラッドリーが幹部の部下と飛行機で出張に行くことになり、リンダも同行を命じられる。狭いプライベートジェットの中でもリンダはブラッドリーや幹部連中と離れた最後部座席に座り、会話にも参加できず。

その中の1人が、リンダが以前にサバイバル番組のオーディションを受けている映像を見つけ、ブラッドリーたちとそれをバカにするような感じで笑っていた。ここで分かるのが、リンダはアウトドアでのサバイバル術を熟知しているということ。その映像の中で火を起こす様子などもあり、これが“その後”の大いなる“前フリ”となっていた。

「HELP/復讐島」より
「HELP/復讐島」より / (C)2026 20th Century Studios. All Rights Reserved.

■“逃げ場のない”無人島で立場が逆転

飛行機が大きく揺れ、窓が割れ、ドアが外れて墜落してしまうハプニングが発生。早々にシートベルトを着用したリンダとブラッドリーだけが、結果生き残ることとなった。この墜落シーンもサム・ライミ監督らしいスプラッター描写が…。

砂浜に打ち上げられたリンダは、助けが来るまで生存するために木や葉っぱで寝ぐらを作り始める。その後で打ち上げられているブラッドリーを発見。足をけがしているブラッドリーに応急処置を施すが、目覚めたブラッドリーは事態の深刻さを理解できておらず、いつも通り傲慢かつ横柄な態度でリンダと接した。

サバイバル術を熟知しているリンダと足にけがを負っているブラッドリー。いつ助けが来るか分からないということもあり、その状況を飲み込んだとき、リンダとブラッドリーの立場が逆転する。これまで溜まりに溜まった鬱憤を吐き出し、復讐心に燃えるリンダ。プライドの高いブラッドリーにとっては最悪な状況だろう。パワーバランスが崩れ、プライドも粉々に。

しかし、不遇な環境から解放されたリンダとは別に、ブラッドリーも“地位”などを失ったことに気付いたことで本性を剥き出しにするようにもなっていく。

■性格が対照的な2人の“心理戦”に注目

生き残るための体力勝負というのはもちろんだが、性格が対照的な2人の“心理戦”に注目。リンダが優位に立ちながらも、腹黒さがあるブラッドリーも一筋縄ではいかない。形勢逆転のチャンスをひそかに狙い、上下関係を戻そうとする。シーソーのように、あるいは振り子のように次々と立場が逆転していくが、その先にある展開は誰も予想できないほど混沌としている。

クセの強いキャラクター同士のぶつかり合い、見る者が顔をしかめてしまうほどの“痛い”描写やグロ表現、随所に盛り込まれている思わず笑ってしまう場面のバランスが絶妙だ。

ホラーとコメディーの混在を成立させるのがうまいダミアン・シャノンとマーク・スウィフトのコンビによる脚本、ライミ監督とは「ダークマン」や「キャプテン・スーパーマーケット」の頃からタッグを組んでいるダニー・エルフマンの音楽もあり、本作はライミ監督のやりたいことがふんだんに盛り込まれた作品となっている。

早速鑑賞した観客からは「思ったよりサム・ライミ成分多めだけど楽しい!」「めちゃ面白かった!出てくる人みんな性格悪くて最高」「危機的状況だが全くシリアスじゃなくて笑いどころもあり面白かった」「終始ドキドキワクワク」といった声が寄せられている。

また、「正直パワハラ上司の方を応援してもうた」「どっちに感情移入すればいいのか…」「リンダもなかなかだね」という感想もあり、リンダとブラッドリー、両方の視点で見てみると違った楽しみ方ができるかもしれない。

映画「HELP/復讐島」は全国公開中。

◆文=田中隆信



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